「電動航空機」の開発、経産省がGI基金で後押し
経済産業省は脱炭素の達成に向けた「グリーンイノベーション(GI)基金」における次世代航空機の研究開発プロジェクトの対象に「電動航空機の開発」を加える。水素燃料電池による電動推進や電動化率向上につながる技術開発や実証を支援する。事業期間は2023年度―30年度まで。パブリックコメント(意見公募)を経て正式決定し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて公募を始める。
GI基金の次世代航空機分野では現在、水素航空機向け技術の研究開発・社会実装支援などを進めている。電動航空機を追加することで、水素燃料電池による電動推進システムやコア技術の開発、電力制御、電動化率向上といった研究テーマを設定。技術開発や社会実装を後押しする。
航空機産業では国際民間航空機関(ICAO)が50年のカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に合意した。CN達成に向けては持続可能な航空燃料(SAF)や水素航空機に加え、電動航空機の導入が避けて通れない見通し。経産省は支援の幅を広げ、日本の航空機関連企業の成長拡大や競争力向上を後押しする。
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日刊工業新聞 2023年07月25日