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普通トラック販売42%増も…日野自動車は「不正行為に伴う影響は残る」

トラック業界関係者がまとめた7月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比42・0%増の5645台となり、5カ月連続で前年同月を上回った。前年同月は半導体をはじめとする部品供給不足や、日野自動車のエンジン認証不正による生産停止で低迷し、その反動が出た。販売は回復トレンドにあるものの「例年に比べ大きな数字ではない」(業界関係者)として、依然不透明な環境が続く。

企業別ではいすゞ自動車が前年同月比68・0%増、三菱ふそうトラック・バスが同52・5%増と大幅増加。日野自、UDトラックスも前年同月比で増加した。

日野自は型式指定の取消処分を受けた「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」の出荷を2月に再開。同社の1―7月累計の販売台数は前年同期比30・1%減だったが、直近4カ月(4―7月)では前年同期比で増加に転じた。

業界関係者は市場の見通しについて「回復するものの、部品供給などは依然課題となっている」と分析する。日野自は一部の中・大型トラックに搭載するエンジンの認証再取得の見通しが立っておらず「不正行為に伴う影響は残る」(日野自)とする。その一方、需要が他社に流れた事例は限定的という見方もある。

日刊工業新聞 2023年08月04日

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