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日本と独で国際標準開発、「自動バレー駐車システム」とは?

日本と独で国際標準開発、「自動バレー駐車システム」とは?

自動バレー駐車システム(経済産業省提供)

自動運転技術を用いた「自動バレー駐車システム」の普及に向け、日本とドイツが共同開発した国際標準が発行した。駐車場の予約から車両の引き渡し、自動走行・駐車、車両の引き取りまで、一連のシステム動作や手続きなどを規定した。自動バレー駐車の車両側とインフラ側のシステム開発をしやすくし、メーカーが異なる車両の駐車場への相互乗り入れを実現する。

自動バレー駐車システムは、利用者が駐車場の入り口で降車した後、車両が無人で自動走行して所定の場所に駐車し、引き取り時に利用者の乗車場所まで再び自動走行する。

今回、日本での車両技術の研究開発と実証から得られた成果をベースに、ドイツと協力して国際標準を開発した。共通の機能や方式に基づく同システムを世界に普及させることを目指す。欧米や中国など世界各地で実用化の検討が進んでいるという。

自動バレー駐車の技術が普及することで、駐車場のスペースの有効活用や駐車場での事故低減が見込める。利用者の駐車操作が必要ないため、駐車場所の探索や空き待ちなども解消でき、利便性の向上や二酸化炭素(CO2)の排出削減にもつなげられるとしている。自動運転レベル4の早期実現も期待される。

大規模商業施設や空港などでは、駐車場が見つからなかったり、駐車場所が遠かったりするケースが少なくない。都市部では限られた駐車スペースの効率的な活用が課題だ。

こうした課題を解消するために、同システムのニーズが見込める。システム動作や仕様などを国際的に統一する必要性が高まっていることに対応する。

日刊工業新聞 2023年月8月1日

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