ビヨンド5Gで日独連携、情通機構が加速する狙い
情報通信研究機構は日独間の国際連携を加速する。第5世代通信(5G)の次の世代であるビヨンド5G/6Gの重要技術開発で協力する。日独の研究機関や産業界が参画する共同研究を立ち上げる。両国でワークショップを開いて人材交流し、国際標準化に向けた協調開発を進める。
総務省とドイツ連邦教育研究省(BMBF)がビヨンド5G開発の協力趣意書を取り交わした。これを受けて情通機構は日独でワークショップを開き、国際開発プロジェクトの公募を始める。情通機構の運営費交付金を充てて10件ほどの国際研究プロジェクトを採択する見込み。情通機構内部の研究提案だけでなく、大学などから広く提案を募る。
次世代通信技術は社会実装に向けて国際標準化が重要視される。要素技術に加え、周辺技術との整合性や拡張性、多国間の相互運用性などが求められる。人材交流と研究開発を並行させる形で日独連携を進める。通信事業者や装置ベンダー、ベンチャー、中小企業などの産業界も含まれるという。
ドイツは6Gイニシアチブを展開し、5年間で7億ユーロ(1044億円)を投入する計画。日本も総務省が2022年度第2次補正予算で662億円の基金を造成し、開発を加速している。
日刊工業新聞 2023年05月26日