ニュースイッチ

中国向け歯車工作機械で攻勢、ニデックマシンツールの思惑

中国向け歯車工作機械で攻勢、ニデックマシンツールの思惑

中国で生産・販売を開始したホブ盤「GPH15A」

ニデックマシンツール(旧日本電産マシンツール、滋賀県栗東市、二井谷春彦社長)は、中国向けの歯車工作機械事業で攻勢をかける。このほど、中国でホブ盤の生産・販売を開始し、工具を含めたワンストップ供給体制を構築。現地の電気自動車(EV)向けなどへの旺盛な歯車需要に迅速に対応する。中国での歯車機械の売上高で、2025年3月期に23年3月期見込み比2・1倍の150億円を目指す。

生産・販売を始めたのは、中国向け新型ホブ盤「GPH15A」で、自動車やロボット向けに使われる最大直径150ミリメートルの歯車に対応したドライカット専用機。平湖工場(浙江省平湖市)で生産する。今回、同工場で完全現地生産・現地供給する工作機械の第1段となる。

主軸回転数は毎分2000回転、テーブル回転数は同300回転、加工精度ISO5級の能力を持つ。同社従来機と同等の高速・安定加工と精度、品質をしつつ、価格を中国の競合他社と同等レベルに抑えた。価格は150万人民元(約2700万円)。初年度120台の販売を目指す。

また操作者の負担軽減のため、切粉対策や簡単プログラミングを行える機能なども搭載する。

併せて、同工場で小モジュールホブとピニオンカッターの生産も開始し、歯車加工に必要な切削工具の生産・サービス体制も整えた。今後、刃付けやリコーティングなどのアフターサービスも開始するなど、取扱品やサービスを拡充する。

中国ではEVやロボット市場の成長に伴い、今後も歯車需要の拡大が見込まれる。


【関連記事】 工作機械の再編劇、次はどこで起こる?
日刊工業新聞 2023年04月06日

編集部のおすすめ