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中国で工作機械売上高2.5倍にする日本電産の勝算

中国で工作機械売上高2.5倍にする日本電産の勝算

日本電産

日本電産は2024年度までに、中国市場で工作機械事業の売上高を現状比約2・5倍の380億円に引き上げる。5月頃をめどに中国で横型マシニングセンター(MC)の生産を始める。量産部品加工に適した横型MCは幅広い産業でニーズがあり、現地生産で拡販を狙う。中国で工作機械の新工場も建設中。成長市場の中国に生産体制を構築することで旺盛な需要を早期に取り込む。

日本電産傘下の工作機械メーカーは、日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)とニデックオーケーケー(兵庫県伊丹市)、2月に買収したPAMA(イタリア)。MCを手がけるオーケーケーは国内にしか生産拠点がないが、マシンツールの中国工場(浙江省平湖)を活用し、現地で組み立てる。

マシンツールは浙江省平湖での生産体制も強化する。現在は歯車工作機械の工場と工具のアフターサービス工場の2カ所の生産拠点を持つが、4月からサービス工場で工作機械部品を内製する。さらに同地域に新工場を建設中で24年7月に稼働。現在の2拠点は新工場に集約する予定だ。

ニデックオーケーケーが手がける横型MC。中国での販売が好調だ

横中ぐり盤世界シェア首位のPAMAは上海に生産拠点を持ち、中国で高品質な部材の独自調達網を構築する。この調達システムをグループで共有する。

グループで工作機械事業を統括する西本達也日本電産シンポ社長は中国市場について「自動車のモーターや工場の自動化関連など向けで、1月中頃から急速に受注が増えている」としている。


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日刊工業新聞 2023年03月09日

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