工作機械主要7社の受注額、26カ月ぶりマイナスの要因
日刊工業新聞社が9日まとめた工作機械主要7社の1月の受注実績は、前年同月比5・9%減の373億9900万円で26カ月ぶりに減少へ転じた。内需、外需がそろってマイナスとなった。コロナ禍からの回復の反動とともに、金利高やインフレへの懸念も重なり、全体的に設備投資に慎重さが増しているもようだ。(総合3参照)
総額では3社が増加となった。オークマは、1月単月で総額と輸出が過去最高額を記録した。欧米では航空機や電気自動車(EV)向けを中心に受注を伸ばし、中国もEV関連や風力発電向けなど幅広い業種で受注。「門型機や複合加工機などの単価の大きい機械を国内外で多く受注し、金額が押し上がった」(営業部)。
ニデックオーケーケーは輸出が前年同月比3・1倍と大きく増加した。特に欧州で自動車・商用車部品関係向けに受注を伸ばし、「2024年以降の景気回復を見込んだ設備投資が活発だった」(経営企画室)という。
中国市場に強いツガミは、中国で春節(旧正月)休暇が前年より長かったことや、前年同月に自動車関連でスポット受注があった反動により、輸出が同28・5%減となった。同社幹部は足元の市況について「世界市場はそろそろ反発のタイミングだが、まだ調整が長引いている状況だ」と捉える。
日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)は総額では減少したものの、中国と米国を中心に受注が増えたことで輸出は増加となった。
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日刊工業新聞 2023年02月10日