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東京ガスと水電解装置の触媒開発、スタートアップが持つ技術

東京ガスと水電解装置の触媒開発、スタートアップが持つ技術

CDEで合成した電極触媒の活性を評価する様子(H2U提供)

東京ガスは、米国のH2Uテクノロジーズ(カリフォルニア州、マーク・E・マクガフ最高経営責任者〈CEO〉)と、水電解装置向けに低コストの触媒を共同開発する。H2Uは2020年創業のスタートアップで、高効率な触媒探索技術を有する。独自の触媒探索エンジン(CDE)は、従来3―4日かかっていた水電解触媒の合成から反応活性の評価までを10分で可能にした。両社はCDEと人工知能(AI)を活用し、最適な触媒材料を効率的に探索する。

東京ガスは都市ガスの脱炭素化実現のために合成メタン(eメタン)の開発に取り組んでおり、その過程で必要な水素は水の電気分解で製造している。革新技術としてプロトン交換膜を使用するPEM水電解方式に取り組んでいるが、電極にレアメタル(希少金属)の一種であるイリジウムを使うため、安価で安定調達ができる代替触媒の開発が急務。H2Uの探索技術を使って低コストで高性能な非イリジウム触媒を開発し、安定的な水素製造を目指す。

日刊工業新聞 2023年03月10日

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