半導体装置販売額は4年ぶり減少へ、市場に吹く逆風の中身
日本半導体製造装置協会(SEAJ、東京都千代田区、牛田一雄会長)は2023年度の日本製半導体製造装置の販売額が22年度比5%減の3兆4998億円になり、4年ぶりに前年度を下回るとの予測を発表した。22年度は3兆6840億円で21年度を6・9%上回り過去最高を更新するが、初めて4兆円を超えるとしていた22年7月の予測からは下方修正した。
予想を引き下げたのは、DRAMなどを中心に市況が悪化しているため。パソコンやスマートフォン(スマホ)の出荷が振るわず、半導体もメモリーを中心に在庫調整に入っている。半導体各社は汎用品向けの投資延期に動いており、製造装置の販売にとって逆風となる。
半導体の先端技術をめぐり、中国への輸出規制強化を米国が打ち出したこともマイナス材料。米国製の装置を購入できずに中国半導体メーカーの生産が滞ると、日本メーカーの製造装置の発注も見直されるリスクがある。
24年度は23年度比19・9%増の4兆1997億円と再びプラスに転じるとした。
12日開いた会見で、牛田一雄会長は「地政学リスクの高まりの影響は半導体業界全体に及んでいる」とした上で、「一方で半導体の重要性が認知され、各国政府は自国の半導体産業への支援を強めている。日本の半導体産業が活力を取り戻す契機になってほしい」などと述べた。
日刊工業新聞 2009年05月18日