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熱中症対策に用いるシーリングファンが冬場も活躍するワケ
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五常(千葉市若葉区、河野佳介社長)が展開する、HVLS大型シーリングファン「スマイルファン」の売上が急増している。2021年冬頃から急増し始め、22年8月までの年間売上高は対前年比135%増となった。背景には、電気代削減意識の高まりがあるという。
同社は建設工事を祖業とし、工場などの熱中症・換気対策も手がけている。シーリングファンは天井に吊るして室内に気流を作るもので、夏場の熱中症対策に用いられることが多い。スマイルファンは逆回転が可能なため、冬場天井にたまる暖気を下層に流すことができ、夏場だけでなく冬場でもエアコン電気代の削減に寄与する。主に天井の高い大型倉庫や工場からの引き合いが多いという。
電気代の平均削減率は約30%。断熱性の高い建物では50%の削減効果も出ている。利用者からは「倉庫全体が暖まるようになった」や、「設定温度を4度C下げても十分温かい」といった声が上がっているという。
同社は今後、冬場の節電対策としてのスマイルファンの認知度を高めながら、国の節電要請に応える企業を支援する方針。また現在、エアコンメーカーと連携してエアコンとセットで設置する取り組みも始めており、より一層加速させる意向だ。
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