落としても割れない!美しく光を反射させるシリコーン製ロックグラス
美しく光を反射させる、一見ガラス製のロックグラス。しかし手で簡単にぐにゃりとつぶせ、落としても割れない―。SNSを騒然とさせたこの透明シリコーン製グラス「KINJO JAPAN(キンジョウジャパン)」を作ったのは、錦城護謨(大阪府八尾市)。同グラスはガラスに比べ、手の熱が伝わりにくく保温性が高い。使用可能温度帯はマイナス30~200℃までと耐冷・耐熱に優れ、レンジの使用も可能という実用性も兼ね備えている点が好評だ。
中小製造業14社・約40製品が集まる! 「モノづくりの面白さ」「技術の奥深さ」を伝えるポップアップストア同社は家電向けゴム部品など年間約5000種類を製造しているが、OEM(相手先ブランド)生産では社名が世に出ないことにもどかしさを感じる社員も多かった。自社技術を生かした生活に身近なものを作りたいという思いから、2019年に八尾市など主催のプロジェクトに参画した。
特に、グラスの透明度にこだわった。金型の磨きを徹底し、分割方法を工夫するなど3、4回作り直した。製品を形にした直後、デザイナーから「もっと攻めたデザインに変更したい」と申し出があった。金型から作り直す必要があったが、カッティングが入って高級感が増し、よりターゲット層に訴求できるものへと進化した。製品化まで約4カ月と短期間での開発だったが、「モノづくり自体のハードルはそこまで高くなかった。技術の蓄積を形にしただけ」とプロジェクトの主力メンバーの一人である同社業務統括部の水田竜平係長は話す。
20年にCFで発売した後、百貨店の電子商取引(EC)サイトなど、販路を拡大。高級感があるためギフトとしても好評だ。今後は欧州など海外進出も狙っている。
しかし、事業としての大きな狙いはBツーBの受注生産の拡大だ。アパレル、航空関係など、従来取引のなかった業種からの引き合いが増えている。透明シリコーンの特徴や加工技術を生かした新たなビジネスの可能性は大きい。
商品情報
シリーズ名:KINJO JAPAN商品名:KINJO JAPAN E1
用途:グラス
カラー:無色
サイズ(mm):高さ103×外径φ80(底面外径φ60)
価格(税込):4,950円
商品名:KINJO JAPAN E1
用途:グラス
カラー:キンジョウブルー
サイズ(mm):高さ103×外径φ80(底面外径φ60)
価格(税込):6,160円
商品名:KINJO JAPAN F2
用途:グラス
カラー:無色
サイズ(mm):高さ160×外径φ75(底面外径φ45)
価格(税込):7,700円
販売サイトURL:https://www.kinjojapan.com/
企業紹介
錦城護謨㈱ KINJO RUBBER CO,LTD所在:〒581-0068 大阪府八尾市跡部北の町1丁目4番25号
従業員数:289人
主な製造品:工業用ゴム・樹脂製品、土木資材、視覚障がい者歩行誘導マットなど
創業86年、ゴム製品のスペシャリスト。家電向けゴム部品など年間約5000種類を製造している。炊飯器の上蓋のパッキン、スイミングキャップなどがわかりやすい例。
製品の設計から材料選び、生産などを一貫して行える。幅広い材料を扱っており、特に「KINJO JAPAN」ブランドの特徴である、ガラスのように透明度の高いシリコーンを扱う企業は珍しい。型を作る段階や生産する条件の設定に、技術の蓄積から得られたノウハウが詰まっている。近年では従来取引のなかった業界からの注目も高く、多方面からの依頼が寄せられている。
FACTORY’S GOODs 詳細情報
10月開催 BtoB展示&ポップアップストア @東京ビッグサイト
会期:2022年10月19日(水)〜21日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト西4ホール F-01(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要 (お申し込み https://autumnfair.nikkan.co.jp/)
日刊工業新聞社など主催の7つのビジネス展示会との併催です。申し込みサイトは2022洗浄総合展、Japan Robot Week 2022、VACUUM2022真空展、SAMPE Japan 先端材料技術展2022、スマートファクトリーJapan2022、高精度・難加工技術展2022、表面改質展2022と共通です。
入場料:入場登録者、招待券持参者、中学生以下は無料
11月開催ポップアップストア @WITH HARAJUKU
会期:2022年 11月18日(金)〜19日(土)11:00~18:00
場所:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1-14-30)
入場登録:不要
入場料:無料
特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/
展示会スポンサー
日進工具株式会社
株式会社ソディック
牧野フライス精機株式会社
碌々産業株式会社
株式会社牧野フライス製作所
一般社団法人日本工作機械工業会
株式会社アマダ
モノづくり日本会議
特集・連載情報
日本のモノづくりの面白さ、技術の奥深さ、その価値を、若者を中心に幅広い人々に伝えたい。モノづくりへの純粋な驚きと興味を広げ、次世代につなげたい―そんな思いを持った日刊工業新聞社の社員から生まれた企画です。
製品のファンを創出するだけでなく、今後の日本のモノづくりに興味を持ってもらうことで「持続可能な日本のモノづくり」を担う次世代の人材発掘も目指します。