裏側に秘密あり。薄さ2mmのアルミテーブルを生み出す加工技術
薄型のアルミニウム天板に1本の支柱というシンプルなデザインの「ソリッドハニカムテーブル」。天板裏を蜂の巣のような六角形のハニカム構造に削り出すことで、強度と軽量化を両立させた。ボルトやナットを使用せず、天板と土台部分に支柱をねじ込むだけで容易に組み立てられる。
中小製造業14社・約40製品が集まる! 「モノづくりの面白さ」「技術の奥深さ」を伝えるポップアップストア 【『主体性のあるモノづくり』をしてみたい】同製品を製造するのは、精密部品の切削加工を行うコアマシナリーだ。ハニカム構造を利用したアルミ製品シリーズを「ソリッドハニカムプロダクツ」として2020年に販売開始した。同シリーズのスツールおよびテープカッターはアルマイト処理により7色展開となっている。
同社の岡本真樹社長は、入社7年目で一般社員から代表取締役に就任し、16年には経営者による企業買収(MBO)を実施した。社内改革を進める中で、「受注生産だけでなく自社で製品開発を行う『主体性のあるモノづくり』をしてみたいという思いが強くなった」(岡本社長)ことから、自社ブランド構築に踏み切った。
オープンイノベーションによるBツーC(対消費者)向けの製品企画として、アイデアコンペを実施。257件の応募から工学院大学の鈴木敏彦教授らの案を採用し、協業を開始。「デザイン性に優れ、作る際にモチベーションが上がる製品だと感じた」と岡本社長は振り返る。
【技術力の証明や宣伝に】提案時のプロトタイプでは強度が足りず天板がたわんでいたが、設計を見直し、削り出しの精度を高め製品化した。ハニカム部分は滑らかにしつつも、あえて切削痕を残し風合いを出した。同テーブルは最薄部2ミリメートル、総重量は約5キログラム、耐荷重25キログラムを実現。「京都デザイン賞2020」にて京都府知事賞を受賞した。
同シリーズは、「技術力の証明や宣伝になっている」と岡本社長は実感する。BツーB(企業間)製品の加工相談だけでなく、デザイナーからの相談も増加。5年間で年商2000万円ほどを目指し、海外進出に向け調査を進めている。
自社ブランドを手がけたことで、社内で創意工夫を行う土壌が育ったことも大きな成果だ。若手を中心に、次なる製品のアイデアが湧きつつある。
商品情報
シリーズ名:ソリッドハニカムプロダクツ
商品名:ソリッドハニカムラウンドテーブル
用途:家具・什器
カラー:シルバー,ブラック
サイズ(mm):W600×D600×H700
価格(税込):209,000円
販売サイトURL:https://www.coremachinery.co.jp/shp/round.html
デザイン:ATELIER OPA
シリーズ名:ソリッドハニカムプロダクツ
商品名:ソリッドハニカムスクエアテーブル
用途:家具・什器
カラー:シルバー,ブラック
サイズ(mm):W450×D450×H700mm
価格(税込):192,500円
販売サイトURL:https://www.coremachinery.co.jp/shp/square.html
デザイン:ATELIER OPA
シリーズ名:ソリッドハニカムプロダクツ
商品名:ソリッドハニカムトライアングルテーブル
用途:家具・什器
カラー:シルバー,ブラック
サイズ(mm):W539×D533×H700mm
価格(税込):198,000円
販売サイトURL:https://www.coremachinery.co.jp/shp/triangle.html
デザイン:ATELIER OPA
シリーズ名:ソリッドハニカムプロダクツ
商品名:ソリッドハニカムスツール
用途:家具・什器
カラー:銀色,黒色,水色,唐紅色,たんぽぽ色,鸚鵡緑色,利休鼠色
サイズ(mm):W450×D450×H400mm
価格(税込):154,000円
販売サイトURL:https://www.coremachinery.co.jp/shp/stool.html
デザイン:ATELIER OPA
企業紹介
コアマシナリー(株) Core Machinery,Inc.所在:〒620-1444京都府福知山市三和町芦渕小字琴ヶ瀬777
従業員数:21名
主な製造品:半導体製造装置等の産業機械部品、アルミニウム製デザイン家具・雑貨
工作機械を使っての切削加工を行っており、特にアルミ材の切削を得意としている。切削加工とは、主に金属の塊をあらゆる形・精度で削り出す加工のこと。どこまで正確かつ複雑な形状を削り出せるかはマシンの動かし方(プログラム設定)や削り出す刃物(工具)、また加工油の選定次第などで大きく変わるため、企業独自のノウハウや担当する技術者の腕の見せ所である。また、工作機械はあらゆる機械の部品を作ることから「マザーマシン」(母なる機械)とも呼ばれる。同社に響く工作機械の作動音はモノづくりの「産声」でもある。
FACTORY’S GOODs 詳細情報
10月開催 BtoB展示&ポップアップストア @東京ビッグサイト
会期:2022年10月19日(水)〜21日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト西4ホール F-01(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要 (お申し込み https://autumnfair.nikkan.co.jp/)
日刊工業新聞社など主催の7つのビジネス展示会との併催です。申し込みサイトは2022洗浄総合展、Japan Robot Week 2022、VACUUM2022真空展、SAMPE Japan 先端材料技術展2022、スマートファクトリーJapan2022、高精度・難加工技術展2022、表面改質展2022と共通です。
入場料:入場登録者、招待券持参者、中学生以下は無料
11月開催ポップアップストア @WITH HARAJUKU
会期:2022年 11月18日(金)〜19日(土)11:00~18:00
場所:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1-14-30)
入場登録:不要
入場料:無料
特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/
展示会スポンサー
日進工具株式会社
株式会社ソディック
牧野フライス精機株式会社
碌々産業株式会社
株式会社牧野フライス製作所
一般社団法人日本工作機械工業会
株式会社アマダ
モノづくり日本会議
特集・連載情報
日本のモノづくりの面白さ、技術の奥深さ、その価値を、若者を中心に幅広い人々に伝えたい。モノづくりへの純粋な驚きと興味を広げ、次世代につなげたい―そんな思いを持った日刊工業新聞社の社員から生まれた企画です。
製品のファンを創出するだけでなく、今後の日本のモノづくりに興味を持ってもらうことで「持続可能な日本のモノづくり」を担う次世代の人材発掘も目指します。