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新入社員のアイデアを形に、中小板金加工メーカー発焚き火台

【FACTORY'S GOODs】早野研工「Fire Base」

早野研工が開発製造・販売を手掛けた「Fire Base」(ファイヤベース)は、近年ブームのアウトドアに挑戦したい初心者にうってつけの製品だ。スリット加工が施された2 枚を組み合わせるだけで基本の形は完成。後は数個のパーツを組み合わせれば、煮炊きもできる「焚き火台」に変身。2020 年12 月に発売以来、販売台数は1,200 台を超えた。

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【アウトドア初心者の視点で】

同社は板金加工の専門メーカー。今までもさまざまなオリジナル製品開発に取り組んできた。「Fire Base」は以前に開発・発売した「極厚プレート」(BBQなど用の鉄板)に続く「アウトドア製品」の第二弾として考案されたもの。「極厚プレート」を活用できる「焚き火台」を、となったがそこからが難問だった。「第二弾をと思い立ったはいいが私たちはアウトドアに関しては素人。どうしたものかと悩みました」(早野文仁社長)。そこで考えたのが「徹底的に素人に寄り添うこと」。アウトドア初心者の自分たちの視点を強みとして取り入れることにした。

【2枚の板を組み合わせるだけ】

早野社長は同社の当時新入社員だった松井勇樹さんに白羽の矢を立てた。CAD の製図を担当する松井さんに、社内のさまざまな意見を取り入れながら図面を書いてもらい、そこに若手の松井さん自身の考えを盛り込んでもらうことにしたのだ。そうして完成した「Fire Base」は2 枚の板を組み合わせるだけで安定して自立。そこに、側板2枚と焚き火台の「底」となるロストル1 枚、あとは鉄板などを載せる五徳2 枚をはめ込めば完成だ。また、分解した際はすべてを重ね、専用のボルトで絞めれば1 つに薄型にまとめられる。
 2020 年12 月24 日、クラウドファンディングを活用し販売をスタート。すると期間内に600万円以上を集めることができた。また、なんと同時期に出展した「東京ギフトショー2021」にて、バイヤーや来場者の投票で決まるコンテストのグランプリも受賞した。

【最大限の準備が鍵】

順風満帆な開発・販売に聞こえるがクラウドファンディングでの成功も、周囲への細かな広報活動の結果であり、グランプリ受賞をきっかけにした顧客はEC サイトをしっかり用意していたおかげで逃さなかった。今後も、さらにアウトドア製品の開発を進めていく方針だ。

商品情報

シリーズ名:Hot Camp
商品名:+Baseフルセット(耐熱黒塗装)
用途:アウトドア用グリル器
カラー:黒
サイズ(mm):w298×d182×h148
価格(税込):47,630円

シリーズ名:Hot Camp
商品名:Fire Base S
用途:焚き火台
サイズ(mm):w220 ×d300×h200
価格(税込):12,100円

商品名:flex
用途:テーブル
カラー:オフホワイト/ダークグレー サイズ(mm):w440×d230×h190
価格(税込):21,780円

シリーズ名:極み
商品名:金の牌
用途:インテリア
サイズ(mm):w19×d15×h25
価格(税込):5,830円

販売サイトURL:https://hayanokenko.jp(9月公開予定)

企業紹介

有限会社 早野研工 Hayano kenko 
所在:岐阜県大垣市多芸島1-86-2 
従業員:33名 
主な製造品:精密板金加工、プレス加工、各種部品加工および治工具設計製作

自動車部品の試作を中心に手掛ける、板金加工メーカー。設計・提案~実際の加工までを一貫でこなす。板金加工は金属の板をレーザ加工機で「切り」、ベンダー加工機で「曲げ」、溶接機で「つなげる」ことで成形する加工技術の総称。大型のものを「1つ」からも製造でき、特注品などにも対応できる柔軟性が特徴。形状や材料、また使用する加工機幅広いため、形状を実現するための設計、加工技術の取捨選択に各企業の技術力が光る。自動車部品の試作は「強度」「デザイン性」「コスト」すべてが特にシビアで、社員1人ひとりの高いスキルが求められる 。

FACTORY’S GOODs 詳細情報

10月開催 BtoB展示&ポップアップストア @東京ビッグサイト
会期:2022年10月19日(水)〜21日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト西4ホール F-01(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要 (お申し込み https://autumnfair.nikkan.co.jp/
日刊工業新聞社など主催の7つのビジネス展示会との併催です。申し込みサイトは2022洗浄総合展、Japan Robot Week 2022、VACUUM2022真空展、SAMPE Japan 先端材料技術展2022、スマートファクトリーJapan2022、高精度・難加工技術展2022、表面改質展2022と共通です。
入場料:入場登録者、招待券持参者、中学生以下は無料

11月開催ポップアップストア @WITH HARAJUKU
会期:2022年 11月18日(金)〜19日(土)11:00~18:00
場所:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1-14-30)
入場登録:不要
入場料:無料

特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/

展示会スポンサー

日進工具株式会社
 株式会社ソディック
 牧野フライス精機株式会社
 碌々産業株式会社
 株式会社牧野フライス製作所
 一般社団法人日本工作機械工業会
 株式会社アマダ
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「FACTORY'S GOODs(ファクトリーズグッズ)」は日本のモノづくり企業の技術と知恵、センスとギミックが詰め込まれた、「GOOD」なmade in 工場の製品を紹介・販売するポップアップストアです。
日本のモノづくりの面白さ、技術の奥深さ、その価値を、若者を中心に幅広い人々に伝えたい。モノづくりへの純粋な驚きと興味を広げ、次世代につなげたい―そんな思いを持った日刊工業新聞社の社員から生まれた企画です。
製品のファンを創出するだけでなく、今後の日本のモノづくりに興味を持ってもらうことで「持続可能な日本のモノづくり」を担う次世代の人材発掘も目指します。

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