景気DIが改善、それでも悪化した5つの業界
帝国データバンク(TDB)が発表した8月の景気動向調査(全国)は、景気DIが前月比0・1ポイント増の41・4となり、2カ月ぶりに改善した。冷房器具といった季節商品の売れ行きが順調だったほか、お盆や夏休みによる観光需要も上向いた。今後はデジタル変革(DX)などのデジタル需要や、我慢していた消費意欲が反動で高まる「リベンジ消費」の拡大が押し上げ要因になりそうだ。
景気DIは50を境に「良い」か「悪い」か判断する。
8月の国内景気は、新型コロナウイルス感染者数が増加した一方、3年ぶりとなる行動制限のない夏シーズンの影響を受けた。さらに情報サービス業に加えて、IT人材の派遣需要もプラス材料だった。食品などの生活必需品の相次ぐ値上げは個人消費を下押ししたものの、国内景気は小幅ながら上向きに転じた。
業界別では全10業界中、「サービス」や「不動産」など5業界が改善した。デジタル化やDXへの動きが加速するなか、情報サービスなどデジタル関連が堅調に推移した。
他方、「運輸・倉庫」や「卸売り」など5業界は悪化した。新型コロナの新規感染者数が引き続き増加し、多くの業種で下押し要因となった。
地域別では全10地域中、「北関東」「南関東」など4地域が改善、「四国」など6地域が悪化した。新型コロナによる観光への影響は地域間で濃淡が見られ、加えて供給制約の悪材料も表れた。
日刊工業新聞2022年9月6日