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日銀・さくらリポート、個人消費が上向いた背景

日銀は発表した7月の地域経済報告(さくらリポート)で、国内計9地域のうち関東甲信越と東海を除く7地域の景気判断を引き上げた。中国でのロックダウン(都市封鎖)による供給制約の影響はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐなどして、個人消費などが上向いた。ただ足元では感染再拡大の局面でもあり、今後の景気動向は依然、不確実なままだ。

個人消費は全9地域で引き上げた。観光振興策などの効果でサービス消費を中心に回復基調となった。「学会や団体旅行も増加し、国内客はコロナ禍前の水準近くまで回復」(神戸の宿泊)といった声が上がる。

ただ、原材料費の高騰には苦慮している模様だ。仕入れ価格の上昇を受けても「客足が徐々に戻りつつある中、顧客離れを避けるため、値上げは見送っている」(熊本の飲食)との回答もあった。

生産は関東甲信越、近畿、中国、四国の4地域で引き下げた。長引く半導体不足に加えて、中国でのロックダウンによるサプライチェーン(供給網)の乱れが影響した。「生産回復にはまだ時間を要する」(横浜の輸送用機械)といった見方がある。

設備投資では脱炭素化に関連した動きがあった。電気自動車(EV)の本格普及を見据えて「2022年度は過去最高水準の設備投資を計画」(大阪の非鉄金属)するという。一方、物流費やエネルギー価格の上昇を受けて、「不急の設備更新案件はなるべく先送りする」(広島の自動車関連)といった企業もあった。

日刊工業新聞2022年7月12日

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