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コロナ禍での2学期開始、どう思う?小中学生のリアルな声

全国でのワクチン接種率は10月23日時点で1回目は70.53%と7割を超え、2回目も64.17%と半数を超えた。ワクチン接種による感染拡大防止効果が期待される一方で、緊急事態宣言は幾度となく延長される日々が続いた。そんな中、夏休みが明け、多くの学校で2学期が始まっている。児童生徒はいまだに制限された環境の中で学校生活を送っている。

子ども向けサイト「キッズ@nifty」を運営するニフティ株式会社(東京都新宿区)は、「コロナ禍での学校開始」に関するアンケート調査を2021年9月1日~12日に実施した。全国の小中学生を中心とした子ども2,570人を対象に、新型コロナウイルスの影響によって2学期の開始が変更になったか、どのような変更があったか、2学期以降について不安があるか、などについて聞いた。新学期シーズンを迎える子どもたちのリアルな声が届いた。

2学期の始業が変更になった?

調査によると、小中学生の約3割が2学期の始業が遅れたと回答。地域別で見ると、関東、関西、九州地方で高い割合となっており、新型コロナウイルス感染者数が多い地域ほど小中学生の始業への影響が大きいことがうかがえる。また、2学期の始業が変更になった小中学生のうち約7割が、2~10日遅れで2学期が開始している状況であることが分かった。中には「1カ月遅れ」という回答や、開始時期が決まっていないという回答もみられた。

2学期以降についてどんな不安がある?

2学期以降不安に感じていることのトップは「感染すること」、2番目が「学校行事の開さい」となった。10代の感染者数が増加する中での通学は、児童生徒も不安を感じている。2学期は一般的に運動会や文化祭、修学旅行などの行事が多く開催されるが、依然として行事の開催延期や中止、規模の縮小が余儀なくされている。中学生では約半数が「勉強への不安」を感じている結果となった。高校受験を控える生徒にとっては大きな懸念事項だ。

オンライン授業と対面授業

夏休み明けに授業を再開した学校では、短縮授業やオンライン授業が行われている。対面の授業を行う学校では、クラスごとでの分散登校や時差登校を行う工夫がされている。その一方で、飛沫予防のためペアワークや音読を見合わせる授業も出ており、児童生徒の主体的な学習を妨げている。その点オンライン授業では、飛沫を気にすることなく発声を伴う授業が可能だ。

多くの小中学校が休校となった2020年春に同社が行った調査では、オンライン授業を実施している学校の割合は15%ほどにとどまったが、今回の調査では大きく割合が増加した。背景として、文部科学省が取り組むGIGAスクール構想による1人1台の端末配布の影響があることが推測される。

アンケートの中では、コロナ禍でのアイディアとして「先生がYoutubeで授業動画の配信」といった意見も見られた。実現すれば、自宅で何度も動画を見て復習が可能になる。
 学校は、児童生徒の健康と学習指導の観点から、授業方法の選択を迫られている。

鈴木奏絵
鈴木奏絵 Suzuki Kanae デジタルメディア局コンテンツサービス部
社会人になり、早くも半年が経ちます。私自身は大学4年生になるタイミングでコロナが流行し始め、大学生活最後の1年間は一度も大学で授業を受けることができないまま卒業となりました。旅行や友達とのお出かけなど、4年生になったらやりたいことがたくさんありました。その分1~3年生の時は学業に勤しんでいたので、楽しみにしていた最後の1年が外出もままならない状況であったことは今でも悔やまれます。小学校・中学校・高校・大学と、楽しい思い出ばかりではありませんでしたが、思い返すとどれも大切で、貴重な経験ができた時間でした。私たちにとっての「当たり前」の学生生活を奪われている子どもたちや10代を見ると胸が痛みます。今の学生は、いつになったら給食の時間に机を合わせ、みんなでおしゃべりをしながら食事を楽しむ時間を過ごせるのでしょうか。そんな「当たり前」の生活が出来なくなっている今、技術の進歩を味方につけて、これまで見たことのない学校を作り上げていくチャンスなのかもしれません。アンケートでは児童生徒からのコロナ禍のアイディアとして、「eスポーツで運動会」やアバターを作成し「バーチャル文化祭」、「VRでオンライン授業」などの意見があがっていました。平時の学校生活とは大きく異なった環境では、できないことを数えているだけではなく、児童生徒からの意見も反映させともに学校生活を考えていく必要がありそうです。

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