子どもにやる気を起こさせる「先生ロボ」。教育DXを加速させるか
ソリューションゲート(東京都荒川区、鈴木博文社長)は、小学生向けの学習指導ロボット「ユニボ先生」拡販のため、古河電気工業グループの商社である古河産業(東京都港区)と提携した。ユニボ先生の現在の販売は10台程度にとどまっている。新型コロナウイルス感染防止や不登校対策として教育分野のデジタル変革(DX)が注目される中、2022年に100台以上の販売を目指す。
ソリューションゲートは従業員が数人のため、ある学校へ営業に出向くと別の注文に対応できないといった課題があった。古河産業との販売提携で営業面の人手不足を解消。ソリューションゲートは学習指導ロボットの肝である教育ソフトウエア開発に専念し、子どもの状況やレベルに合わせたコンテンツでインターネット塾やタブレット端末教材との差別化を進める。
ユニボ先生はユニロボット(東京都渋谷区)製の卓上ロボットがベース。対象の子どもの学習理解レベルに合わせて算数の問題を出題し、正解すると「すごいね」、不正解だと「どこでつまずいたのかなあ」などと声がけし、集中力の持続を促す。
コロナ禍もあって多くの公立小学校では自分で勉強を進められる子と、言われないと勉強しない子の2極化が進行しているとされる。つまずいた子にいかにやる気を起こさせ、勉強に自信を付けさせるかが重要テーマになっている。
ユニボ先生は、こうした子どもにやる気を起こさせる教材の作成や声がけのタイミングを重要視。個別指導法はネット授業の塾やタブレット端末教材では対応が困難で、ロボットに興味を持ちやすい小学生の年齢と合わせて差別化のポイントに据えていく。
日刊工業新聞2021年10月1日