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オンラインでプログラミング教室。エンタメのノウハウ活用で“熱”伝える

独自コンテンツ制作、「リアル」と併用
オンラインでプログラミング教室。エンタメのノウハウ活用で“熱”伝える

生徒のニーズを直接吸収するため、リアルな教室も継続する

イノビオット(千葉市中央区、福田紘也社長)は、プログラミング教室をオンラインにシフトする。小学校のプログラミング教育必修化による需要増加に対応する。場所と時間に制約されずに受講可能にするとともに、月額3200円(消費税抜き)からの低料金で市場を開拓する。7月時点で生徒数は80人だが、12月末までに150人、2022年12月末までに1500人をそれぞれ目指す。

イノビオットが運営するプログラミング教室の生徒の内、60人がリアルな教室で受講している。だが、コロナ禍で企業がテレワークを推奨し、IT環境が整った家庭が増えている。これに合わせてオンライン化し、プログラミング教室が少ない地方を含めて需要を掘り起こす。

講座を中継するのではなく、オンラインを前提としたコンテンツを制作し「生徒のやる気が持続するように講師がサポートする」(福田社長)。ただオンラインでは「“熱”が伝わらない」(同)という課題があることから、動画投稿サイトの番組制作と運営で蓄積したエンターテインメントのノウハウを活用し「生徒自らが進んで楽しく学べるようなコンテンツをつくる」(同)。

現在、同社が運営する教室の生徒に限定し、社会問題の解決につながる作品を募り、コンテストを実施している。今後は自治体や企業と手を組み、首都圏、次に全国の小学生が参加できるコンテストを開き、同社の認知度を全国レベルに高め、生徒数の増加にもつなげる。

オンライン中心になるものの、生徒のニーズや反応を直接吸収するため、リアルな教室は継続する。21年10月期の売上高は前期比約40%増の1000万円の見込みだ。教室運営が軌道に乗る22年10月期に4000万円、23年10月期に3億円をそれぞれ目指す。

日刊工業新聞2021年7月15日

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