社会人も使える!ドワンゴの「参加感」重視のオンライン授業
ドワンゴは、通信教育がメーンの角川ドワンゴ学園N高校(N高、本校・沖縄県うるま市) と連携し、独自に開発した学習アプリ「N予備校」を提供している。授業、教材(問題集・参考書)、Q&Aシステムが一つになったサービスで、ライブ配信の生授業ではコメント機能を使い挙手や質問ができるなど、双方向の参加型授業が特徴だ。授業はアーカイブ閲覧も可能となっている。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う全小中高の休校要請を受け、3月1日よりN予備校を無料開放。利用者数はこの期間に急増した。
学生だけでなく、社会人にも多く利用されている。中学の復習や大学受験講座のほかに、プログラミングやWebデザイナー講座を開設していることもあり、学び直しや新しい分野へ挑戦する動きなどがみられた。生授業やQ&Aにおいて、コメントや投稿による世代間交流が起こり、教え合い、学び合いのコミュニケーションが活発化している。
オンライン学習ながら、生授業では受講者を受け身にさせずに「参加感」を高める工夫がされている。まずコメントで生徒が何を感じているか、どう考えたかなどを随時聞きながら授業を進める。また、アンケートやクイズで生徒の理解を確かめながら授業を進める。記述式の答案は挙手機能を使い、授業内で添削を行う。こうした双方向の機能を活用して授業を活性化させたり、生徒の理解を深めたりしている。
利用者からの要望を受け、3月19日にプログラミングコースでUnity教材を、3月25日に学びの基礎となる「読み・書き・そろばん」の3つの力を育てる小学復習(国語・算数)を新たに公開した。今後は、科目学習系の講座に複数の単元、もしくはコースの学習習熟度がわかる習熟度テストを整備していく予定だ。無料開放の期限は決めておらず、随時新たな教材を公開していくとしている。
「『学びたいと思う人それぞれに適した学びのコンテンツを提供する』、『学ぼうとする人が教えあえる学びの場所をつくる』、『学びに対して前向きになれるよう動機づけやモチベーションも保てるようにする』。これらをオンライン上で実現し、より多くの方が学びの機会を持ち、成長していってほしいと考えています」(甲野氏)。
【特集】主流になるか?オンライン学習
新型コロナウイルス感染症の流行による休校・休園が決まって2カ月。いまだ再開の見通しが立たない。学習塾や習い事でも通塾やレッスン休止が相次いでいる。そんな中、自宅にいながら学習ができるオンライン学習サービスへの注目が急速に高まっている。現状と、上手な利用法、今後の展開について取材した。(不定期更新)