“チーム東入来"でJDIは本当に生き残れるのか
「最近は社内の空気が変わってきた」?
ジャパンディスプレイ(JDI)が、生き残りを賭けた大改革に踏み切る。石川県の能美工場の生産停止、国内外3700人規模の人員削減を断行するほか、将来の資金調達を見据え外部資本導入の検討も始めた。同社は3期連続で当期赤字。まずは止血して基盤を整えて次の成長戦略を描く方針だが、道のりは険しい。「日の丸ディスプレー」の行方は、今後の国内産業界における事業再編のあり方にも重要な示唆を与える。
「JDIにとっては、これが最後のチャンスだ」―。東入来信博会長兼最高経営責任者(CEO)は、不退転の決意を示す。JDIは生き残れるのか。東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは「現状のJDIがどんな会社を分析して、トップから末端の社員まで共有することが重要だ」と話す。
これまでJDIの経営は、経済産業省の意向で意思決定が左右される面が多く、スピード感に欠けていた点が否めない。さらに、もともと6社の電機メーカーから切り出された「寄り合い集団」で、かつ技術力を自負することもあり、経営不振に陥っても社員の当事者意識が薄いとの声があった。
しかし6月からの新経営陣は元IBMのディスプレー担当役員で中国で液晶パネルメーカー設立にも携わった橋本孝久氏や、元東京電力会長の下河辺和彦氏など、東入来会長に近い人材で固めており、一枚岩になる体制は整った。
複数の関係者が東入来会長を「周囲の意見を聞いて取り入れるタイプ」と評価する通り、現在は社内の意識を統一しようと奔走しているようだ。社員の一人は「最近は社内の空気が変わってきた」と明かす。
JDIの復活に残された時間は少ない。スピード感を持ちつつ、構造改革と将来の投資力確保、社内の意識改革を同時並行で進められるか。「日本の底力をみせる」(東入来会長)。成否は17年度の成果にかかっている。
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「JDIにとっては、これが最後のチャンスだ」―。東入来信博会長兼最高経営責任者(CEO)は、不退転の決意を示す。JDIは生き残れるのか。東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは「現状のJDIがどんな会社を分析して、トップから末端の社員まで共有することが重要だ」と話す。
これまでJDIの経営は、経済産業省の意向で意思決定が左右される面が多く、スピード感に欠けていた点が否めない。さらに、もともと6社の電機メーカーから切り出された「寄り合い集団」で、かつ技術力を自負することもあり、経営不振に陥っても社員の当事者意識が薄いとの声があった。
しかし6月からの新経営陣は元IBMのディスプレー担当役員で中国で液晶パネルメーカー設立にも携わった橋本孝久氏や、元東京電力会長の下河辺和彦氏など、東入来会長に近い人材で固めており、一枚岩になる体制は整った。
複数の関係者が東入来会長を「周囲の意見を聞いて取り入れるタイプ」と評価する通り、現在は社内の意識を統一しようと奔走しているようだ。社員の一人は「最近は社内の空気が変わってきた」と明かす。
JDIの復活に残された時間は少ない。スピード感を持ちつつ、構造改革と将来の投資力確保、社内の意識改革を同時並行で進められるか。「日本の底力をみせる」(東入来会長)。成否は17年度の成果にかかっている。
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日刊工業新聞2017年8月10日「深層断面」から抜粋