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“買わなかった商品”情報も収集、店内の客状況を分析

CTCSP、小売業向けシステムの導入支援サービス
 シーティーシー・エスピー(CTCSP、東京都世田谷区、玉野井明良社長、03・5712・8010)は、スプリームシステム(同豊島区)製の店舗内動線分析システムと商品棚前行動分析システムの導入支援サービスを27日から開始する。「消費者が商品を手に取ったが、その後、棚に戻した」といった“買わなかった商品”の情報など、収集しづらいデータを取得・分析。集客率や購入率の向上などを支援する。

 CTCSPは小売り業向けIT商材を新たに追加。多様なデータの利活用を提案することで、小売り業向けビジネスを強化する。導入支援サービスを通じ、今後3年間で50社を新規に開拓する。

 店舗内動線分析システムは赤外線レーザーセンサーやカメラなど位置計測端末から、素通りや立ち寄り、滞留など店舗内での人の行動をデータとしてリアルタイムに取得・分析。滞在時間や動線距離、接客時間などから各売り場の立ち寄り率や購入率などを算出し表などで可視化する。

 例えば「目的の商品を急いで探している状態」「店舗内で迷っている状態」「レジ混雑のため、購入せずに退店しようとしている状態」などのデータを取得できる。また、オフィスビルの不正入退室検知や工場内の危険行動検知などへの応用も想定できるため、今後は幅広い業界へ提案していく。

 一方、商品棚前行動分析システムは赤外線レーザーセンサーを棚の上に設置し、特定の棚に手を伸ばした回数・棚段や棚前での手の動きをデータ化する。販売時点情報管理(POS)端末など他システムと連携することで「買わなかった商品」のデータなど、取得できるデータの種類が増える。

 CTCSPは両システムを提案することで、商品棚の陳列の改善や取扱商品ラインアップの見直しなど、より購買につながる支援を実施する。システムの導入支援だけでなく、必要な場合はセンサーなど位置計測端末も販売する。価格は個別見積もり。

 CTCSPは伊藤忠テクノソリューションズのグループ会社で、IT関連機器やソフトウエアを販売する。
日刊工業新聞2017年7月27日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
商品の仕入だけでなく、店舗設計や人員配置などさまざまな面に生かせるデータが得られそうです。

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