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新型「カムリ」で見せつけたアイシン精機のグループ力とコスト力

高機能部品を作り上げて、賢く共通化へ
新型「カムリ」で見せつけたアイシン精機のグループ力とコスト力

エンジン用連続可変容量オイルポンプ

アイシン精機グループは、トヨタ自動車が全面改良して発売した中型セダン「カムリ」向けに新型のエンジン用オイルポンプや変速機、ディスクブレーキなどを開発した。カムリはトヨタの新設計思想「TNGA」を車両、パワートレーンを含めて全面展開した第1号車種。部品レベルでも大幅に性能を向上させた。

 アイシン精機が開発した「エンジン用連続可変容量オイルポンプ」は、世界初の内接ギア構造を採用。独自の歯形にすることで従来品と比べ約33%軽量化した。エンジン冷却用電動ウォーターポンプも同36%軽量化した。

 グループ会社のアイシン・エィ・ダブリュ(アイシンAW)はトヨタと共同で、前輪駆動(FF)用の2モーターハイブリッド変速機が採用された。アドヴィックス(愛知県刈谷市)もフロントディスクブレーキや電動パーキングブレーキの新製品を開発した。

 アイシンAWは北米仕様車向けに、伝達効率を高めた8速自動変速機(AT)と精度を向上させたナビゲーションシステムも受注した。
日刊工業新聞2017年7月17日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
新型カムリはTNGAのKープラットフォームの頭出し。TNGAはプリウスが頭出しだとよく言われるが、プリウスはハイブリッド車であり、エンジン関連、トランスミッション、ブレーキ系統など、コンベンショナル部品を中心とするTNGA部品の多くがこのカムリから始まる。記事にもある通り高機能部品を作り上げている。これらを賢く共有化、拡販することでコストも下げる算段だ。為替以外に増益要因が乏しい現在のトヨタに見られるよう、TNGA部品のコストはまだ十分に下がっていない様子。収益挽回を目論むトヨタの今後の調達価格戦略がどう変わっていくのか、注目している。

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