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途上国の願いが込められた日本の“七夕衛星“が宇宙へ

九州工大の留学生が設計・製作。ISSで高まる日本の存在感
途上国の願いが込められた日本の“七夕衛星“が宇宙へ

ISSの日本実験棟「きぼう」(ISS、JAXA/NASA提供)

 今日は七夕。織姫と彦星が年に1度だけ天の川を渡り、会いに行く。織姫星はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイル、天の川は膨大な数の恒星の集団。地上の人は短冊を笹につるし、願いがかなうよう星を仰ぐ。

 最近は年に1度の割合で日本人宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)で活動している。2016年にISSに長期滞在した大西卓哉さんが日本実験棟「きぼう」でマウスの飼育実験をするなど、日本の存在感は高まっている。

 日本時間の今日夕方、きぼうから九州工業大学の人工衛星5機が放出される。このプロジェクトは日本、ガーナ、モンゴル、ナイジェリア、バングラデシュが参加し、九州工大に留学している各国の学生が衛星を設計・製作した。

 先月上旬に米ケネディ宇宙センターからスペースXのファルコン9ロケットで打ち上げられ、無事にISSに到着。きぼうが持つ独自の放出機構を使って放出される。

 一辺が10センチメートルの立方体という超小型衛星だが、各国1機ずつ割り当てられ、日本とナイジェリアを除く3カ国にとっては国として初めての人工衛星だという。衛星に願いを託した人々の思いをかなえることも、今後の日本のミッションとなるだろう。
日刊工業新聞2017年7月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
こういう活動、とても意義があると思います。初めての3カ国を含めいろいろな願いがかなうといい。

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