日本の入浴文化を中国に!TOTOのゆりかご浴槽に人だかり
中国事業のけん引役は「ウォシュレット」、次の柱になるか
TOTOが日本の入浴文化を中国市場に広めようとしている。5月に上海で開かれた展示会では、最先端の生体力学や脳科学に基づいて開発した“究極”の浴槽を披露。来場者の心をつかんだ。温水洗浄便座「ウォシュレット」で中国市場を席巻したTOTO。このブランド力を生かして、浴槽という新たなフィールドで市場の創造に挑む。
TOTOは水回り関連でアジア最大規模の展示会「中国国際キッチン&バス設備展覧会」に出展。会場の一番手前に大規模なブースを設置し、ウォシュレット一体型の便器「ネオレスト」といった最新の商品を並べた。こうした商品を前に黒山の人だかりとなる中、ひときわ来場者の関心を集めたのが、ゆりかごのような形をした参考出展の大型浴槽「フローテーション・タブ」だ。
フローテーション・タブは寝そべって入浴するタイプの浴槽。上下に調節が可能なヘッドレストに頭をのせ、臀部(でんぶ)は軽く底面に触れる設計となっている。宇宙飛行士が宇宙空間で睡眠を取る姿勢に近いという。
同社は「究極のリラックスは重力からの解放」と、開発の着想を明かす。「安定感と浮遊感を両立した」と胸を張る。血流などを調べた結果、睡眠以上にリラックスできているという結果が出た。体をもみほぐすように水流が旋回する「ハイドロハンズ」や肩湯、気泡で浮遊感を増す機能も備えた。
ブースの担当者が説明に追われる中、ほとんどの来訪者が尋ねたのが「いつ発売するのか」「価格はいくらなのか」という質問だった。今回は参考出展で、今のところ発売予定はないが、「日本の入浴文化が受け入れられる手応えを感じた」という。今後の商品開発に、フローテーション・タブで培った技術を投入する考えを示す。
(文=斎藤正人)
TOTOは水回り関連でアジア最大規模の展示会「中国国際キッチン&バス設備展覧会」に出展。会場の一番手前に大規模なブースを設置し、ウォシュレット一体型の便器「ネオレスト」といった最新の商品を並べた。こうした商品を前に黒山の人だかりとなる中、ひときわ来場者の関心を集めたのが、ゆりかごのような形をした参考出展の大型浴槽「フローテーション・タブ」だ。
フローテーション・タブは寝そべって入浴するタイプの浴槽。上下に調節が可能なヘッドレストに頭をのせ、臀部(でんぶ)は軽く底面に触れる設計となっている。宇宙飛行士が宇宙空間で睡眠を取る姿勢に近いという。
同社は「究極のリラックスは重力からの解放」と、開発の着想を明かす。「安定感と浮遊感を両立した」と胸を張る。血流などを調べた結果、睡眠以上にリラックスできているという結果が出た。体をもみほぐすように水流が旋回する「ハイドロハンズ」や肩湯、気泡で浮遊感を増す機能も備えた。
ブースの担当者が説明に追われる中、ほとんどの来訪者が尋ねたのが「いつ発売するのか」「価格はいくらなのか」という質問だった。今回は参考出展で、今のところ発売予定はないが、「日本の入浴文化が受け入れられる手応えを感じた」という。今後の商品開発に、フローテーション・タブで培った技術を投入する考えを示す。
(文=斎藤正人)
日刊工業新聞2017年6月23日