ニュースイッチ

伊藤忠、中国語を話せる人材を3倍の1000人に

資本提携先の中国国有会社やタイの財閥系との協業進める
伊藤忠、中国語を話せる人材を3倍の1000人に

中国語教育を強化してCITIC、CPとの協業を深化させる

 伊藤忠商事は中国語を話せる人材を2017年度末までに現在比約3倍の1000人に増員する。従来から実施している語学研修などの受講者数増員に加え、新たに社員が自主的に学べるオンライン学習環境も構築する。投資額は年間数億円規模とみられる。中国語の人材層を拡充・強化し、資本提携している中国国有複合企業CITIC、タイ大手財閥CPグループとの協業を加速・深化させる。

 伊藤忠では現在、ある程度の日常会話がこなせる初級者から、中国人と流ちょうな会話ができる上級者まで計361人の中国語人材が在籍している。中国政府公認の検定HSKをベースに17年度末までに初級者500人(現在201人)、ビジネス会話ができる中級者300人(同85人)、上級者200人(同75人)の育成を目指す。

 そのため15年度は、中国の大学および語学学校への留学者数を14年度比2・5倍の50人に、中国拠点への派遣者数を同5倍の10人に増やす。中国駐在経験者向けの日本での中国語学校への参加者数の拡大に加え、中国、台湾、シンガポールに駐在中の社員にも新たに語学学校での研修を開始。一層の中国語能力の向上につなげる。

 また中国語の学習経験がない社員に対して、新たにeラーニングやスカイプを使った教育環境を整え、中国語の人材層を広げる。16年度に入社予定の一部内定者にも同様の学習環境を提供する。

 伊藤忠商事は資本提携するCPグループと共同で、15年にCITICへ総額約1兆2000億円の出資を決定、8月に伊藤忠として約6000億円の出資を完了した。3社は既に中国でのインターネット通販事業への参画を決めるなど、事業化に向けて進んでいる。
日刊工業新聞2015年12月4日 建設・エネルギー・生活面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
以前、ある大手企業の経営者が中途半端な英語を話せるよりカタコトの中国語を話せる人間の方が使える、と言ってたことがあるが・・。まぁこの手の人たちは両方話せるのだろうけど。伊藤忠、元社長は元中国大使でもあるし。

編集部のおすすめ