MRJ、外国人開発者600人体制。水谷社長「2強目指す」

 三菱航空機の水谷久和社長は6月12日、リージョナルジェット機「MRJ」の開発状況を都内で説明した。権限移譲を進めた航空機の開発経験を持つ外国人エンジニアについては、600人体制になっていることを明らかにした。

飛行時間「4月以降伸びている」


 MRJの開発体制は2016年11月、三菱重工の宮永俊一社長が直轄する現体制に移行。今年1月23日には、量産初号機の納入時期を2年延期して2020年半ばにすると発表した。外国人エンジニアはこれまでは助言役にとどまっていたが、現在は管理職にも就いている。

 水谷社長はMRJの開発体制について、「名古屋とシアトル、モーゼスレイクで2000人強。そのうち外国人は3拠点合わせて600人だ。」と説明。「4月からは日本語を母国語としない人が参加する打ち合わせは、英語でやっている」と述べ、従来より社員間のコミュニケーションが良好になっていると語った。

 飛行試験の拠点であるモーゼスレイクでは、4機の飛行試験機で試験を進めている。「フルに飛んでいるわけではないが、4月以降は飛行時間が伸びている」(水谷社長)と強調。「電気配線(EWIS)の再設計支援も、フランスの会社を選定し、20人くらいが名古屋に来ている」と説明した。

顧客との関係「今のところ維持できている」


 MRJは、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種で構成。エンジンはいずれも低燃費や低騒音を特長とする、米プラット・アンド・ホイットニー製のギヤード・ターボファン・エンジン(GTFエンジン)「PurePower PW1200G」を採用する。6月1日には、PW1200GがFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得した。

 現在の納期は2020年半ばを計画。2020年初頭までに、機体の安全性を国が証明する型式証明(TC)の取得を目指す。水谷社長は、「2019年度が開発費用のピークになると思う。いかに効率を上げてコストを最小化するかだ」と述べ、コストを抑えていく姿勢を示した。

 開発コスト削減について、水谷社長は「MRJ90の納入が最優先だが、我々も民間企業。限られた資源でどうするかを、海外のエンジニアを交えて狭い見方ではなく、グローバルな経験を参考にしながら進めていきたい」と語った。

 6月19日に開幕する世界最大規模の航空ショー「パリ航空ショー」には、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA)の塗装をまとった飛行試験3号機を、会場に持ち込む。MRJが航空ショーに参加するのは初めて。

 「エンブラエルが約5割のシェアだと思っている。ボンバルディアは4割だが100席以上に注力しており、我々ががんばっていけば、新しい2強の一角を形成できるのでは」と意気込みを語った。

 開発スケジュールの遅れについても「どうリカバリーして市場に提供し、お客様の信頼を得られるか。注文は今のところ維持できており、開発作業の進ちょくと合わせて、お客様との関係をきちっと維持していきたい」と述べた。

吉川 忠行

吉川 忠行
06月14日
この記事のファシリテーター

パリ航空ショーを前に、三菱航空機の水谷社長が都内で開発状況を説明。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。