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セブン、19年にも沖縄初出店。古屋社長「家族になるつもりでやる」

5年間で250店目標、アジア向けハブ拠点化も視野
セブン、19年にも沖縄初出店。古屋社長「家族になるつもりでやる」

沖縄出店を発表したセブンーイレブン。会見に先立ち、古屋社長(左)は翁長雄志知事を表敬訪問した

 セブン-イレブン・ジャパンは9日、那覇市で会見し2020年2月期に沖縄県へ初進出すると発表した。出店から5年で250店舗に広げる。まずは最大の商圏である那覇市を中心に初年度50店をオープンする。「地域に根ざした店舗展開が必要」(古屋一樹社長)として、同社初の全額出資の現地法人を17年中に設立し運営する。商品展開では県民の嗜好(しこう)に合わせて、ファストフードを強化する。

 競合との差別化について古屋社長は「製品の質」を強調した。出店においては競合チェーンが沖縄で採用しているエリアフランチャイズ方式は導入しない。店舗オーナーを今回の発表を機に正式に募集を始める。

 また沖縄を、アジアに向けたプライベートブランド「セブンプレミアム」の輸送拠点とする考えも明らかにした。経済特区の活用も視野に入れる。

 沖縄進出で同社は47都道府県すべてに出店することとなる。

【古屋一樹社長 会見要旨】


 「沖縄は47都道府県で最後の開店になる。出店が遅れたのは、サプライチェーンを物理的に横から持ってくることができないため。進出オファーは10年前から受けていたが、専用工場をつくれなければ絶対出店しないという、企業としての基本的な考え方があった」

 「沖縄は好きで、ここ10年間は年1~2回来ており(店舗を)欲しいと思っていた。周囲からも『なぜないのか』という声を多くもらっていた。今後もハードルを越えなければいけないが、どうにか開店準備が整う環境できたので発表となった。沖縄の食材を他地域にも紹介したい。沖縄に根ざして店舗展開するため、現地子会社をつくり、フランチャイズ展開を続ける。沖縄の文化、ライフスタイル、食、環境を1年ほどの準備期間で勉強していく」

 ーなぜ、このタイミングなのか。
 「具体的な理由はない。7、8年前から分析に入っていた。観光客数、人口動態や出生率など、沖縄はファーストフード、コンビニには魅力的な市場。3年前に当時のトップに決断いただき、進めてきた」

 -地場企業との協力関係は。
 「エリアフランチャイズによる提携はないが、沖縄は地元との信頼関係が必要なので、地元企業とはパートナーの関係をつくっていきたい」

 「(大村利彦取締役)現地子会社を日本でつくるのは初めて。これまでは隣県との連続性である程度やっていたが、沖縄ではうまくいかない。市場を理解してしっかりやるためには、東京での管理ではなく生活の中に入って出店や雇用、経済を含めて一緒にやりたいということで決めた。今年中に法人を設立する。隣人ではなく家族になるつもりでやる」

 ー沖縄限定の商品展開については。
 「積極的にやる。7月から沖縄フェアをやる。試食したが、おいしい商品できた。沖縄の食材を使った商品は、供給体制ができれば他県にも広げたい。現地法人がコミュニケーションをとりながら進める。弁当、おにぎりや総菜など、東京で売れたから沖縄でも売れるという方程式は100%通用しない。一番は質の高い商品。他社チェーンとの売り上げの差は商品の差。沖縄にあった食材、スタイルでやる。ファストフードやカウンター周りは強くする。おでんやフライもの、作りたての商品に対する嗜好は強い。要望がある商品は広げる。楽しみな売り場ができると思う」

 ーアジア展開については。
 「アジアにもっとプライベートブランドを展開したい。アジアへのロジスティクスは沖縄からがベスト、ぜひやろうと。アジア市場は魅力的だが、エリアフランチャイズでやっており、看板はセブンイレブンでも日本と違うフォーマットで展開している。韓国、タイでは日本のフォーマットでやれるようになった。日本の商品をどんどん送り、世界ブランドをつくりたい」

 ー沖縄県内ではオーバーストアの懸念があるが。
「場所、商品、サービスで圧倒的に差別化すれば数の飽和はない。最後発だがナンバーワンの売り上げの地域もある。
質を上げなければ成功するとは思わない。その自信はある。強みは商品だ」

 ー土地と労働力が限られる。
 「どこの地域でも一緒で、出店余地ないと言われるが、まだ出店ポイントある。働く人もシニアや女性などフレキシブルな業務体系で解決していきたい」

 ー売り上げ目標は。
 「具体的には立てていないが、他県より低いということはない。沖縄は他社チェーンも全国平均より日販が高い。2、3年で当社の全国平均日販68万円に近づけられる感触はある。初年度は期待感から、想定以上の売り上げになるのではないか。それを続けなければいけないが」

記者ファシリテーター


 ようやく、セブンの日本地図の空白地帯がなくなります。沖縄市場の特殊性(排他性ともいえる)から、ファミマやローソンのようにエリアフランチャイズで展開するのでは、との見方もありましたが、独自路線を貫きました。一方で初の現地子会社を設立して溶け込みを図る戦略。広報担当も含めて古屋社長ら全員が「かりゆしウェア」で県庁を訪問するなど、“つかみ”はバッチリという感じです。
(那覇支局長・三苫能徳)
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櫻井八重
櫻井八重 Sakurai Yae
満を持してのセブン沖縄進出。既に530店舗がひしめく県内に、セブンのドミナント戦略がどのように展開され、沖縄にどんな影響を与えるのか、県内外から注目が高まっている。沖縄好きの私としては、ハワイのABCマートのような存在が出来る事を期待すると同時に、店舗数を競い合うような無茶な開発にならない事を祈るばかりである。

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