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ニッポンの鉄道信号がインドや台湾で続々誕生へ

日本信号が受注、政府のインフラ輸出に呼応
ニッポンの鉄道信号がインドや台湾で続々誕生へ

電化前の台湾鉄道

 日本信号が海外で、鉄道信号システムの受注を加速している。このほど、インドと台湾で同システムを相次いで受注した。受注総額は2件で100億円を超えるとみられる。新興国では近年、経済発展の基礎となる鉄道インフラの整備・近代化に力を入れている。日本信号は日本政府が進めるインフラ輸出に貢献するとともに、海外展開を加速。2020年度に海外売上高を、16年度比で5倍の300億円に引き上げる計画だ。

 インドではガンディナガール・アーメダバード都市鉄道公社から、2路線の信号プロジェクトを受注した。受注額は約50億円。東西線(20・7キロメートル/18駅)と南北線(18・5キロメートル/15駅)に信号システムを設置する。運行管理装置、電子連動装置、自動列車防護装置などを納入する。

 インドで2件目の信号システム受注となる。アーメダバードは近年、人口が急増しているほか、23年開業予定で日本の新幹線方式を採用するインド高速鉄道の終着駅でもあり、一層の経済成長が見込まれる。

 台湾では現地の重電メーカー、士林電機と共同で、鉄道の電化工事を一括受注。受注総額は約200億円。同工事の完成で、台湾本島を1周する本線全区間の電化が完了する。

 日本信号は信号システムを担当する。12駅の電子連動装置をはじめ、列車検知装置、中間閉塞装置、踏切設備、電気転てつ機を納入・施工する。同社の受注分は約60億円とみられる。
日刊工業新聞2017年5月30日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
日本国内の鉄道インフラは、新設案件から設備の更新や修繕に需要がシフトしている。日本信号は交通渋滞の緩和対策などで、鉄道需要が拡大する海外を成長エンジンに位置づける。こういう個別システムの納入ならいいが、東芝のWHを見ていると、日本のインフラ輸出に懐疑的になってしまう部分もかなりある。新幹線などはEPC契約でコンストラクションの部分などは本当に大丈夫か?

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