東京で芸者になるには、まず「履歴書を送る」!?
「東をどり」公演間近! 実際に芸者さんに聞いてみた
「芸者」と言えば京都を思い浮かべる方も多いだろうが、東京都内には赤坂、浅草、神楽坂など、11地域に置屋があり「芸者」がいる。
今回縁がありお話を伺ったのは「芸の新橋」と称され、東京の中でも元気な花柳界「東京新橋組合(以下「新橋」)」だ。
「新橋」は幕末から興り、東銀座から築地の一帯で構成されている。練習場も銀座にあり、近代的なビルに入ればそこには座敷と練習用舞台が広がっているという「異空間」。そこで日々芸者衆が稽古に励んでいる。
見学させていただいた時は、一見たおやかな雰囲気だが、稽古は張りつめた空気感が充満し―というまさに伝統芸能の世界だった。
実は東京新橋組合は花柳界でもまれな、新橋演舞場の株主として「自分たちの舞台を持つ芸者衆」。普段は一見お断りと言われる彼女たちが年に1度、広く社会にお披露目しているのが今年93回を迎える「東をどり」(今年は5月25日~28日公演)だ。
「自分たちの舞台を持ち、そこで芸を披露できるのは幸せなこと」とは新橋芸者・菊森川の小喜美さん。
新橋芸者衆が一般に踊りを披露する機会というのはなかなかない。基本的に彼女たちの芸は限られた一部の人間が堪能できるものだ。それが広く、多くの人に見てもらえる機会なので、手ぬぐいのかみしめ方から指先1つ1つの動かし方まで注意がいく、かなり力が入った練習を行い、晴れの舞台を迎えるのだという。
また演舞場を持っているという特徴の他に、もう1つ大きな特徴がある。それが、若手が育っているということだ。
「新橋」では若手育成に力を入れ、年に3回、「なでしこの踊り」という若手が芸を披露する場がある。初心者にも分かりやすく―と、芸の見どころや所作の解説、また着物の着方や小物の意味など解説を聞きながら仕出し弁当に舌鼓を打つ、という入門に最適な機会を設けている。多くの人に「東京の芸者」を知ってもらいたいのだという。
では、もし芸者になりたい!と思った場合、どうすればいいのだろうか。小喜美さんに尋ねると「履歴書を送っていただきます」。
一般企業のようだ。
「そうして面接をして、人隣りを見て、お稽古に耐えられそうとかそういう所が大丈夫であれば、来ていただきます」
特殊な面接や実技があるかと思えば、それはなく、あくまでも人間性重視。踊りなどは全て入ってから教えるそうだ。実際、ほぼゼロのような状態で入ってくる人もいるという。
「東おどりを見て、憧れていました。大学を出て、一般企業で働いていましたが、思いきって扉をたたきました。習い事として日本舞踊を習ったくらいでしたので、先生からは芸者になるんだったらもっと厳しく教えるんだった、と後から言われました」とは尾上流の小福さん。
また同じく尾上流の小花さんは、小さいころから日舞を習っていた方。「芸者になるには舞妓さんのイメージがあるため、中学卒業時頃に決定出来ないと駄目だと思って諦めていましたが、テレビで新橋芸者の事を知り、履歴書を送りました」と話す。最近仕込み期間(住み込み期間)が終わり、一人暮らしを始めたそうだ。
2人共、芸者になって良かったことは、お姉さん方から色々教わることが出来ること、そして一流の方々と会い、一流の品々を知り、日々自分が成長していけることと話してくれた。
小福さんと小花さんも演出する東をどり。披露の為に、日々厳しいお稽古に励んでいる芸者衆の、江戸の粋が楽しめる機会となっている。
今回縁がありお話を伺ったのは「芸の新橋」と称され、東京の中でも元気な花柳界「東京新橋組合(以下「新橋」)」だ。
「新橋」は幕末から興り、東銀座から築地の一帯で構成されている。練習場も銀座にあり、近代的なビルに入ればそこには座敷と練習用舞台が広がっているという「異空間」。そこで日々芸者衆が稽古に励んでいる。
見学させていただいた時は、一見たおやかな雰囲気だが、稽古は張りつめた空気感が充満し―というまさに伝統芸能の世界だった。
実は東京新橋組合は花柳界でもまれな、新橋演舞場の株主として「自分たちの舞台を持つ芸者衆」。普段は一見お断りと言われる彼女たちが年に1度、広く社会にお披露目しているのが今年93回を迎える「東をどり」(今年は5月25日~28日公演)だ。
「自分たちの舞台を持ち、そこで芸を披露できるのは幸せなこと」とは新橋芸者・菊森川の小喜美さん。
新橋芸者衆が一般に踊りを披露する機会というのはなかなかない。基本的に彼女たちの芸は限られた一部の人間が堪能できるものだ。それが広く、多くの人に見てもらえる機会なので、手ぬぐいのかみしめ方から指先1つ1つの動かし方まで注意がいく、かなり力が入った練習を行い、晴れの舞台を迎えるのだという。
また演舞場を持っているという特徴の他に、もう1つ大きな特徴がある。それが、若手が育っているということだ。
「新橋」では若手育成に力を入れ、年に3回、「なでしこの踊り」という若手が芸を披露する場がある。初心者にも分かりやすく―と、芸の見どころや所作の解説、また着物の着方や小物の意味など解説を聞きながら仕出し弁当に舌鼓を打つ、という入門に最適な機会を設けている。多くの人に「東京の芸者」を知ってもらいたいのだという。
では、もし芸者になりたい!と思った場合、どうすればいいのだろうか。小喜美さんに尋ねると「履歴書を送っていただきます」。
一般企業のようだ。
「そうして面接をして、人隣りを見て、お稽古に耐えられそうとかそういう所が大丈夫であれば、来ていただきます」
特殊な面接や実技があるかと思えば、それはなく、あくまでも人間性重視。踊りなどは全て入ってから教えるそうだ。実際、ほぼゼロのような状態で入ってくる人もいるという。
「東おどりを見て、憧れていました。大学を出て、一般企業で働いていましたが、思いきって扉をたたきました。習い事として日本舞踊を習ったくらいでしたので、先生からは芸者になるんだったらもっと厳しく教えるんだった、と後から言われました」とは尾上流の小福さん。
また同じく尾上流の小花さんは、小さいころから日舞を習っていた方。「芸者になるには舞妓さんのイメージがあるため、中学卒業時頃に決定出来ないと駄目だと思って諦めていましたが、テレビで新橋芸者の事を知り、履歴書を送りました」と話す。最近仕込み期間(住み込み期間)が終わり、一人暮らしを始めたそうだ。
2人共、芸者になって良かったことは、お姉さん方から色々教わることが出来ること、そして一流の方々と会い、一流の品々を知り、日々自分が成長していけることと話してくれた。
小福さんと小花さんも演出する東をどり。披露の為に、日々厳しいお稽古に励んでいる芸者衆の、江戸の粋が楽しめる機会となっている。
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