テスラのマスク氏、今度は地下トンネル高速自動車道の構想発表
<追記あり>電動式の車台に車を載せ、時速200kmで走行
最近では人間の脳とコンピューターを融合させるインターフェース技術の研究開発を目的に、「ニューラリンク」(米サンフランシスコ)という新会社を3月に設立して世界を驚かせた米テスラのイーロン・マスクCEO。米国を代表する連続起業家が次にぶち上げたのは、ロサンゼルスといった大都市の地下に立体式のトンネル高速道路網を作り、交通渋滞を緩和するというアイデア。バンクーバーで開催されたプレゼンイベントのTED2017に28日出演し、CG映像でその概要を明らかにした。
地下トンネルはボーリング(The Boring Company)という新会社が手がけるもので、地上の道路に4輪の電動式車台(カー・スケート)を設置。その上に車が停止すると、車台ごとエレベーターで地下に降下し、地下トンネルの道路を車台に載ったまま高速で走行する。目的地に近づくと再びエレベーターで地上に運ばれ、到着後に車台から乗り出して車道に合流する仕組みだ。
車台の走行速度は最高時速200キロメートルとしており、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のあるウエストウッドからロサンゼルス国際空港まで「わずか5、6分で行けるようになるだろう」(マスク氏)としている。
新しい交通システムをめぐっては、配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズが空飛ぶクルマの試験飛行を3年以内に開始すると25日に発表したばかり。マスク氏はウーバーのプロジェクトにも触れ、「不安を和らげることにはならない。頭の上を車が飛び回るようなことになれば、ホイールキャップが落下して頭に当たるんじゃないか、と考えたりする」と言って批判した。
近未来の超高速交通システムでは、マスク氏が2013年8月に「ハイパーループ」構想を提唱。パイプラインのようにつながったチューブの中を減圧し、人間を乗せたカプセル(ポッド)が空中浮遊した状態で最高時速1200キロメートルで移動するアイデア。この構想に基づき、ハイパーループ・ワンや、ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)といったベンチャー企業などが、車両開発やテスト用トラックでの走行試験に乗り出している。
地下トンネル自体は全く新しくないが、車台に載せて高速移動させるというところがミソ。つまりその部分が電動式の簡易自動運転車になるわけで、テスラのビジネスにも直接つながってきそう。
(藤元正)
地下トンネルはボーリング(The Boring Company)という新会社が手がけるもので、地上の道路に4輪の電動式車台(カー・スケート)を設置。その上に車が停止すると、車台ごとエレベーターで地下に降下し、地下トンネルの道路を車台に載ったまま高速で走行する。目的地に近づくと再びエレベーターで地上に運ばれ、到着後に車台から乗り出して車道に合流する仕組みだ。
車台の走行速度は最高時速200キロメートルとしており、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のあるウエストウッドからロサンゼルス国際空港まで「わずか5、6分で行けるようになるだろう」(マスク氏)としている。
新しい交通システムをめぐっては、配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズが空飛ぶクルマの試験飛行を3年以内に開始すると25日に発表したばかり。マスク氏はウーバーのプロジェクトにも触れ、「不安を和らげることにはならない。頭の上を車が飛び回るようなことになれば、ホイールキャップが落下して頭に当たるんじゃないか、と考えたりする」と言って批判した。
近未来の超高速交通システムでは、マスク氏が2013年8月に「ハイパーループ」構想を提唱。パイプラインのようにつながったチューブの中を減圧し、人間を乗せたカプセル(ポッド)が空中浮遊した状態で最高時速1200キロメートルで移動するアイデア。この構想に基づき、ハイパーループ・ワンや、ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)といったベンチャー企業などが、車両開発やテスト用トラックでの走行試験に乗り出している。
記者ファシリテーター
地下トンネル自体は全く新しくないが、車台に載せて高速移動させるというところがミソ。つまりその部分が電動式の簡易自動運転車になるわけで、テスラのビジネスにも直接つながってきそう。
(藤元正)
2017年4月29日付日刊工業新聞電子版