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スバルの変速機工場に導入する真空浸炭炉の使い道

大同特殊鋼が受注。自動車用ギアの強度を高める熱処理設備に
スバルの変速機工場に導入する真空浸炭炉の使い道

来春導入予定のモジュール式真空浸炭炉

 大同特殊鋼はSUBARU(スバル)全額出資子会社の富士機械(前橋市)からモジュール式真空浸炭炉「モジュールサーモ」を受注した。富士機械がスバルの大泉工場(群馬県大泉町)内に建設する新工場に、2018年春をめどに納入する。受注額は明らかにしていない。自動車用ギアなどの強度を高める熱処理設備として、今後の拡販に弾みをつける。

 モジュールサーモは量産型の真空浸炭炉で、浸炭室18室を備えた設備一式を納める。品質の安定や二酸化炭素(CO2)排出量の大幅低減、幅広い熱処理、短納期で将来の生産能力増強に応えられる点などが評価されたという。07年の初受注以来、今回でモジュールサーモは国内外5社目の受注となる。

日刊工業新聞2017年4月26日



米国産SUVの変速機は日本から


 富士重工業は2018年に米国で生産、投入する北米市場向け大型スポーツ多目的車(SUV)に使用する部品の現地調達率を既存の米産車種と同等の約7割程度に設定する。エンジン、変速機は従来通り日本から調達する。米トランプ政権が通商政策の見直しを表明するなど先行きに透明感はあるが、現時点では品質維持を優先し従来の調達戦略を継続するのが最善だと判断したようだ。
スバルが来年投入する北米専用大型SUV「アセント」

 北米向け大型SUVは米インディアナ州にある米国工場で生産する。米国では旗艦車種「レガシィ」、「アウトバック」に加えて、昨年11月から主力車「インプレッサ」の生産を始めた。いずれの車種もメキシコを含む北米市場の現地調達率は7割前後で推移。基幹部品の水平対向エンジン、変速機以外の大半の部品は現地調達で対応。エンジン、変速機は高度な加工技術が必要で、米国への技術移管が難しく日本での生産を続けている。

日刊工業新聞2017年3月14日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
CVTは大泉工場で、MTは子会社の富士機械で生産している。それだけ変速機は重要パーツであると同時に、今後はこれまで以上にコスト削減が求められています。

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