「インプレッサ」納車待ち3カ月、“成長痛”の群馬製作所はどう苦しみを抜け出すか

米国生産スタートも余力生まれず。“チーム太田”で生産合理化

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群馬製作所(群馬県太田市)の車両組み立てライン
 納車待ち3カ月―。スバル車は販売が拡大し、世界生産の約6割を担う群馬製作所(群馬県太田市)はフル操業が続く。北米向け新型インプレッサは2016年11月から米国工場での生産に切り替わり、当初は群馬製作所に余力が生まれると踏んでいたが、想定を上回る受注で納期短縮には至っていない。それだけ現場は繁忙だ。

 「生産のあり方を見直す段階にきた」。群馬製作所長の大河原正喜は生産現場の現状を踏まえこう指摘する。群馬製作所での生産は16年に11年比で7割も増加。急速に伸びる需要に追いつくため、工場内に空きスペースを見つけては設備を入れ生産能力を増強する取り組みを繰り返してきた。結果、生産や物流が非効率になる課題が生じているからだ。

 「理想と現実のギャップを埋めたい」。“成長痛”の克服に向け大河原は地元・群馬県太田市内のサプライヤーと連携し、スバル車の組み立てラインとサプライヤーの部品生産ラインを同期させる生産方式「生順生産」の導入を決めた。

 サプライヤーと富士重の車両組み立てラインの車種情報を共有。車種の生産順に部品を調達し、中間在庫を削減する。非効率だった群馬製作所内の設備配置も見直し無駄をなくす。

 富士重とサプライヤーが一体となり生産合理化を目指す。まず主要サプライヤー3社が製造する15部品を対象に20年までに構築し、20年以降は3社以外のメーカーにも広げる。

 富士重が取引先の生産高度化を支援するため発足した専門部隊「SC生産技術部」。太田市内にあるサプライヤー工場内では生順生産の実現に向けSC生技部とサプライヤーが試行錯誤しながら新しい生産ラインづくりを共同で進める。

 「太田市を中心としたコンパクトな生産体制を築くスバルならではの強みを生かす」(大河原)。スバル車の生産拠点はマレーシアのノックダウン工場を除けば群馬と米国にしかない。成長局面が続く中“チーム太田”で生産改革を成功できるか。正念場を迎えている。
(敬称略)

日刊工業新聞2017年3月22日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

2020年までに、群馬製作所で自動車の組み立てラインと主要サプライヤーの生産ラインを同期させるリーンな生産体制を構築する。組み立て車種順に部品を調達し、中間在庫を減らす。近郊の主要部品メーカー3社と連携し、まずシートなど15部品を対象に構築。20年以降に他の部品メーカーにも広げる。新たに構築する生産方式「生順生産」は、富士重工業の組み立てラインの車種情報をサプライヤーと共有。サプライヤーはこの情報に沿って、部品を富士重に供給する。これまで富士重はサプライヤーから一定間隔でまとめて部品調達しており、中間在庫が増える要因となっていた。まずシートやドアトリムを生産するしげる工業(群馬県太田市)、ボディー部品を手がける東亜工業(同)、排気系や燃料系部品を生産する坂本工業(同)の3社が協力するという。

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