走りながら充電可能なEV
東大などがインホイールモーター式を開発
東京大学の藤本博志准教授と居村岳広特任講師らは東洋電機製造と日本精工と共同で、走りながら充電できるインホイールモーター式電気自動車(EV)を開発した(写真)。タイヤに受電装置と蓄電器などを搭載したため、路面と受電装置の距離を一定に保てた。給電効率が安定し、9割以上のエネルギーを路面から車体へ供給できた。高速道路や交差点などに送電装置を埋め込めば、EVの電池重量や航続距離の課題の解消につながる。
路面に埋設した送電コイルからタイヤの受電コイルに磁界を介して給電する。車体に受電コイルを搭載すると、走行時の振動によりコイル間の距離が変わってしまう。タイヤに搭載すれば、路面との距離が一定になるため給電効率を最大に保てる。
実験車では路面から8・2キロワットを送りモーターは7・4キロワットの電力を受け取れた。インホイールモーターの最大出力は12キロワットで、四輪に装着すれば市販EVと同等の性能になるという。
日本精工は次世代自動車向け変速機付きインホイールモーターを開発した。軸受やクラッチユニットなどの構成部品の製品化につなげることが狙い。2台のモーターを用い小型でも高い駆動性能を得られる独自方式を、自動車メーカーなどに提案する。今後、数年をかけて、各構成部品を事業化する考えだ。
同社が開発したのは変速機と一体化させた小型モーター2台をホイールにつなげる独自方式。低速ギア時は一方のモーターが逆回転し、高速ギアに切り替えると2モーターが同方向に回る仕組みだ。一般的なインホイールモーターより省スペースながらも、変速機の働きにより実用的なトルクや速度を確保できるという。
モーター2台の回転を制御することで、加速しながら滑らかにギアを切り替えられるのも特徴だ。自作車を用いた実証実験で性能を確認した。この用途に合わせた減速機内蔵ハブ軸受ユニットなどの製品化を目指す。
インホイールモーターは電気自動車(EV)などの新たな駆動方式として期待されているが、小型化と駆動性能の両立が課題。
路面に埋設した送電コイルからタイヤの受電コイルに磁界を介して給電する。車体に受電コイルを搭載すると、走行時の振動によりコイル間の距離が変わってしまう。タイヤに搭載すれば、路面との距離が一定になるため給電効率を最大に保てる。
実験車では路面から8・2キロワットを送りモーターは7・4キロワットの電力を受け取れた。インホイールモーターの最大出力は12キロワットで、四輪に装着すれば市販EVと同等の性能になるという。
日刊工業新聞2017年4月6日
日本精工が変速機付インホイールモーター
日本精工は次世代自動車向け変速機付きインホイールモーターを開発した。軸受やクラッチユニットなどの構成部品の製品化につなげることが狙い。2台のモーターを用い小型でも高い駆動性能を得られる独自方式を、自動車メーカーなどに提案する。今後、数年をかけて、各構成部品を事業化する考えだ。
同社が開発したのは変速機と一体化させた小型モーター2台をホイールにつなげる独自方式。低速ギア時は一方のモーターが逆回転し、高速ギアに切り替えると2モーターが同方向に回る仕組みだ。一般的なインホイールモーターより省スペースながらも、変速機の働きにより実用的なトルクや速度を確保できるという。
モーター2台の回転を制御することで、加速しながら滑らかにギアを切り替えられるのも特徴だ。自作車を用いた実証実験で性能を確認した。この用途に合わせた減速機内蔵ハブ軸受ユニットなどの製品化を目指す。
インホイールモーターは電気自動車(EV)などの新たな駆動方式として期待されているが、小型化と駆動性能の両立が課題。
日刊工業新聞2016年12月19日