「隣の芝は青く見える」は真実だった!

芝の陰影は、心に余裕のある人への特別なメッセージ

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人工芝に描いた絵。心に余裕のある人には猫が見える(慶大提供)
 「隣の芝は青く見える」という格言があるが、これはある意味で真実だ。視点と角度が違うため、上から見れば太陽光の反射が強くて白っぽく見え、横からなら芝本来の緑が見える。

 慶応義塾大学の杉浦裕太助教は、この原理を使えば絵を描けると考え、人工芝の芝目を変えて、“絵”を描く装置を開発した。絵の画素ごとにブレードが上下し、芝を逆なでる。「芝目を直せば簡単に消せる。学校や公園、スタジアムの芝生が巨大なキャンバスになる」。

 東京五輪・パラリンピックの試合ハイライトや観光客へのウェルカムメッセージ。芝の陰影は主張が弱く、忙しい人にはなかなか気づかれない。

 心に余裕のある人への特別なメッセージにもなる。「砂利や雪、砂浜にも応用できる。“枯れ山水2.0”として日本の新しい文化にしたい」。

日刊工業新聞2017年4月3日「発掘!イグ・ノーベル賞」

COMMENT

一枚の絵を描くキャンパスとしてはスタジアムの芝は最大級になると思います。たくさんの観客が見ます。競技が始まると絵がどんどん消えていくので、そのはかなさに意味を持たせるアートやキャンペーンを誰か考えないかなと期待してしまいます。東京五輪では競技開始直前に観客が集まるとスタジアム周辺の道路がパンクします。主催者としては開始30分前や1時間前から観客をスタジアムに集まってもらい、できれば滞留してビールやグッズも買ってもらいたいところです。消えてしまうメッセージと絡めて、上手い仕掛けができればと思います。日本人よりもわびさびが好きな外国人には「枯山水2・0」はウケると思うのですが。 (日刊工業新聞科学技術部・小寺貴之)

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