未来のイグノーベル賞?八戸工大、アリが操縦するロボ「アンタム」

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アンタムのコックピット
 バナナの皮が滑る原理やタマネギで涙が出る理由など、イグ・ノーベル賞に選ばれた研究は人を笑わせ、考えさせる。身近な現象を不思議に思い、突き詰めると、そこには研究の面白さが眠る。そんなイグ・ノーベル賞を将来受賞するかもしれない研究を紹介する。

 「僕が一番、アンタムをうまく使えるんだ!」―。アリの中からニュータイプを探すため、アリが操縦するロボット「ANTAM(アンタム)」を開発した。球体の上にアリを載せると、アリが歩いた分だけ球が回る仕組み。アリ自身はどの方向に歩いても球の上から出られない。球の回転分だけ、球を載せたアンタムが走り回る。
 

(左円内の拡大写真。コックピット上のアリ)

 八戸工業大学の藤沢隆介講師は、「自分の何倍も大きな機体を障害物にぶつからずに避けられれば、アリがロボットを操縦したといえる」と説明する。道具を超え、ロボットを使いこなすアリの誕生だ。学習や知能の解明につながる。将来、アンタムは飛行ロボット(ドローン)化する計画だ。「羽を失ったアリも再び飛べるようになる」。

※日刊工業新聞で「発掘!イグ・ノーベル賞」を連載スタートします。

日刊工業新聞2016年11月23日

COMMENT

アンタムに乗るのは視覚を使うタイプの砂漠のアリだそうです。砂漠ではフェロモンが揮発したり、砂が崩れてしまうので眼に頼って生きるアリがいます。アリがアンタムに乗ったままエサにたどり着ければ大成功です。天敵から逃げても良いかもしれません。さらに、アンタムは行動計測装置として昆虫学に旋風を巻き起こすかもしれません。昆虫の行動を正確に計るのは難しかったのですが、アンタムでは走行軌跡や認知能力などが撮れます。研究者の匙加減を排除し、定量的な行動科学が昆虫でも展開できるようになるかもしれません。昆虫の知能をプログラムに落とし込めれば、IoTでばらまかれるセンサーや群ロボットが賢くなります。 (日刊工業新聞科学技術部・小寺貴之)

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