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連結可能な新ミルクユニットを投入…富士電機、コーヒー機刷新で拡販

連結可能な新ミルクユニットを投入…富士電機、コーヒー機刷新で拡販

ミルクユニット(右)と連結可能にした業務用コーヒーマシン

富士電機は業務用コーヒーマシン事業を強化する。2025年1月に、配管内のミルク残液を出さないミルクユニットと連結可能なコーヒーマシンとしてバージョンアップして発売する。従来の国内だけでなく、25年以降に中国や東南アジアなど海外での販売も視野に入れる。業務用のコーヒーマシンはドイツやイタリアなど海外製が多くのシェアを占めている。コーヒーの消費量が高まる中、ホテルやレストラン、カフェチェーン、オフィス向けなどに販路を広げる。

新たに投入するミルクユニットは蒸気タンクを搭載しており、カプチーノ用などにきめ細かな「スチームミルク」(蒸気で暖められたミルク)を提供する。蒸気による殺菌で衛生的な上、設計の工夫で配管内のミルクの残液はほぼなく、使い残しが生じない。

また、セミオートの洗浄機能により、洗剤を入れて洗浄ボタンを押すだけでミルク配管内を清潔にすることができ、日々の掃除の手間を省き、利用者の負担を軽減する。

富士電機は23年12月に国内の業務用コーヒーマシン市場へ12年ぶりに“再参入”した。独自の金属メッシュのフィルターが特徴で、味とペーパーレスによる手間の少なさを両立した。25年1月からは要望の多いミルクユニットと連結可能にするほか、オフィスや狭小店舗向けの決済端末にも対応させ無人でも運用できるようにする。

富士電機は大手コンビニエンスストア向けに専用のコーヒーマシンを供給している。国内外でコーヒー市場が拡大する中、同社ではホテルやレストランなど、手間をかけずにプロがいれたような業務用コーヒーマシンの需要は伸びていると判断。27年3月期を目標とする3カ年の中期経営計画でも食品流通事業の新規事業として注力していくとしている。


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日刊工業新聞 2024年11月28日

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