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パワー半導体市場の勢力図に影響か…ミネベアミツミが日立子会社を400億円で買収

ミネベアミツミは、日立製作所の完全子会社で電力の変換や制御を担うパワー半導体を製造する日立パワーデバイスを買収する。買収額は非公表だが、400億円程度とみられる。ミネベアミツミは買収を通じ、電気自動車(EV)向けに需要が増加しているIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の強化を図る。2027年3月期に半導体事業の売上高を23年3月期比2・5倍の2000億円規模まで伸ばしたい考え。

日立製作所が所有する日立パワーデバイスの全株式45万株を25年3月期にもミネベアミツミが買い取る。

日立パワーデバイスは生産の一部を外部委託しており、前工程の委託先の一つがミネベアミツミの千歳事業所(北海道千歳市)だった。今回の買収でミネベアミツミはIGBTの完成品まで一貫生産できるようになり、拡大するIGBT需要に対応しやすい体制が整う。

日立パワーデバイスは13年、日立製作所がパワー半導体事業を子会社の日立原町電子工業と統合して設立。23年3月期の連結当期利益は約30億円で、従業員数は約1000人。送配電の関連機器、EVなどに使うIGBTやインバーターエアコン用の高圧ICなどのパワー半導体に強みがある。

国内パワー半導体メーカーは三菱電機富士電機東芝ルネサスエレクトロニクスロームデンソー、日立パワーデバイスを加えた7社がひしめいており、今回の買収により、市場の勢力図にも影響を与える可能性がある。


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日刊工業新聞 2023年11月03日

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