世界初、大分大学が有機ガス放出しない竹CNFを実証した意義
大分大学は27日、同大で開発した高純度の竹セルロースナノファイバー(竹CNF)が、水以外のアウトガス(有機物のガス)を放出しない材料であることを世界で初めて実証したと発表した。プラスチックや接着剤から出るアウトガスは、宇宙空間に打ち上げた衛星カメラで撮影する際にレンズを曇らせる原因として課題だった。同大では引き続き、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や静岡大学と共同研究を進め、プラスチックや接着剤の代替品としての活用を目指していく。
今回、大分大の衣本太郎教授が開発した竹CNFの試験片をJAXA筑波宇宙センターで測定し、判明した。衣本教授は同日、大分県庁で開かれた会見で「製造工程で化学処理をせずに作ることや、CNFの純度に起因するようだ」と述べた。
竹CNFはスペースデブリの発生も少ないとみられており、超小型衛星など宇宙機の部材への展開、利用が期待されている。同研究成果は国際宇宙航行アカデミー(IAA)公式論文誌に掲載済み。
日刊工業新聞 2024年11月28日