産業副産物96%配合…神戸製鋼などが開発、ジオポリマーコンクリの効果
清水建設、神戸製鋼所、シーカ・ジャパン(東京都港区、マルコ・アマン社長)の3社は、使用材料の最大96%を産業副産物で構成するジオポリマーコンクリートの配合技術を共同開発した。流動性や強度を決定する反応メカニズムを分析し、産業副産物を有効活用した。製品化の時期や金額は未定。製品適用に向けた実証や現場施工のための製造システム構築に取り組む。
開発した技術は活性フィラーに加え、骨材や練り混ぜ水に産業副産物を有効活用する。長時間の流動性確保という施工性の課題については、シーカ・ジャパンが開発したアルカリ活性剤と分散剤を活用した。また、常温で硬化するため二酸化炭素(CO2)排出量を低減。コストを従来製品の半分以下に抑制できると見込む。
ジオポリマーは、高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの産業副産物を利用する活性フィラーとアルカリ溶液を原料とする硬化体。セメントの代替材料として、製造工程でのCO2排出量を削減する。一方、活性フィラー以外は一般的なコンクリートと同様の材料であったため、産業副産物の活用率は20%程度にとどまっていた。
日刊工業新聞 2024年10月3日