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CO2削減・意匠性両立…大成建設が開発、光・空調を透過する柱の効果

CO2削減・意匠性両立…大成建設が開発、光・空調を透過する柱の効果

次世代技術研究所に適用した柱部材(夜間)

大成建設は環境配慮型コンクリートと3次元(3D)プリンティング技術のノウハウを融合し、二酸化炭素(CO2)の排出量削減につながる機能性と意匠性の高さを兼ね備えた柱部材を開発した。内側から光と空調を透過させるとともに、桜の樹皮を模した独創的なデザインを採用。建設中の技術研究所(埼玉県幸手市)の研究管理棟に初適用した。

材料としてCO2を内部に固定することによって、通常のコンクリートに比べてCO2排出量を最大106%削減できるコンクリートを採用した。柱部材の表面には多数の細孔を設けており、内側から細孔を透過する漏れ光が明かりと影の演出による独創的な意匠性を、柱部材からの染み出し空調が空間の快適さを実現している。

また部材設計では、3Dプリンティングで製作した部材そのものの強さと部材内部に埋め込んだ補強材によってコンクリートを打ち込む際に生じる側圧に耐えられるようにしている。型枠を外側から補強するために通常の施工で設置する支保工が不要となり、次工程への受け渡しまでの日数を短縮できる。

日刊工業新聞 2024年8月28日

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