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プリンター部品に電炉材…ブラザー、脱炭素化へ導入に踏み切る

プリンター部品に電炉材…ブラザー、脱炭素化へ導入に踏み切る

生産時のCO2排出量が少ない材料調達を推進する(イメージ)

ブラザー工業はプリンターの部品に使う鋼材について、電炉材の導入を決めた。同社が電炉材を採用するのは初めてという。2024年度内に一部の部品で利用を始め、成果を見ながら、25年度以降に徐々に導入を拡大していく考え。高炉材に比べて、加工精度が求められる部品への適応度が劣る電炉材だが、生産時の二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、脱炭素化に向けて導入に踏み切る。

鋼材を使うプリンター部品は、主に高炉材の薄板をプレス加工して製造する。電炉材を薄板にして供給するサプライヤーが少ない上、「プレスで抜いたり曲げたりする際に、寸法の精度が出なかったり、歪みが出たりするので採用が難しかった」(村上泰三取締役専務執行役員)。

脱炭素化への対応が必要な中で、ブラザー工業は調達する材料についても、生産時のCO2排出量が少ないものへの移行を推進する。部材調達時のCO2排出量を22―24年度の3年間で、3万トン以上削減することを目指している。

だが、23年度までの削減実績は約4700トンにとどまっている。脱炭素に関わる活動強化に向け、今後、電炉材の適用が可能な部品を検討しつつ、「サプライヤーとも協力して適用する部品を広げていく」(同)方針だ。

日刊工業新聞 2024年08月26日

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