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「合成メタン」年13万トン以上日本に輸出へ、東ガス・大ガス・東邦ガスが一手

豪社と詳細検討
「合成メタン」年13万トン以上日本に輸出へ、東ガス・大ガス・東邦ガスが一手

ガス田があるクーパー堆積盆地(出典:サントス)

東京ガス、大阪ガス、東邦ガスは21日、豪州のエネルギー企業サントスの子会社であるサントスベンチャーズと、合成メタン(e―メタン)の製造・輸出に向けた詳細検討を始めたと発表した。豪州中東部のクーパー堆積盆地のムーンバで、ガス田などから得られる二酸化炭素(CO2)と再生可能エネルギーによってe―メタンを製造する。2030年以降に年間約13万トン(都市ガス約1億8000万立方メートル分)以上を日本へ輸出することを目指す。

ムーンバでのe-メタン製造と日本への輸出のイメージ
製造に使うCO2はガス田以外に、豪州東部からのパイプライン調達も検討する。ムーンバで太陽光発電や陸上風力発電設備を建設し、e―メタンを製造。既設の天然ガスパイプラインによって豪州北部のダーウィン液化天然ガス(LNG)基地や東部のグラッドストーンLNG基地まで輸送し、LNG船にe―メタンを混ぜて日本へ輸出する。検討に当たっては、経済産業省の補助金を活用。24年度中に詳細検討を終え、その後、投資の意思決定を行う。

約13万トンの内訳は東ガス6万トン、大ガス4万トン、東邦ガス3万トンの見通し。各社の年間の都市ガス需要の1%に相当する。大ガスはサントスと豪州東部でも同様のe―メタン製造・輸出の詳細検討をしており、今回の案件と並行で進める。大ガス資源・海外事業部の川崎浩二ゼネラルマネージャーは「再生エネのコストをいかに下げられるかが今後の課題となる」と語った。

日刊工業新聞 2024年8月22日

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