作業効率化で1カ月前倒し…関西万博のシンボル「大屋根リング」木造部分完成
日本国際博覧会協会(万博協会)は21日、2025年に開催される大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)の象徴となる「大屋根リング」の木造建築部分が完成したと発表した。同日、南東工区の外側スロープが収まり、約2キロメートルの一つの輪として全体がつながった。当初は9月下旬の完成予定だったが、作業効率化などで約1カ月の前倒しを実現。今後、植栽やエレベーターなどの整備を進め、年内に終了予定だ。建設費は約350億円。
大屋根リングは大林組や竹中工務店など大手ゼネコン3社が中核となり、三つの工区で分担して建設。日本の伝統構法の「貫接合」に加え、3工区それぞれで耐震基準を満たす独自技術を採用した。屋根の上は来場者が歩ける。
万博協会の十倉雅和会長は「大屋根リングは『多様でありながら、ひとつ』のコンセプトを象徴する建築物。世界中からの来場者に楽しんでいただける」とコメントした。
日刊工業新聞 2024年8月22日