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大阪万博の準備着々、関西地銀の期待

大阪万博の準備着々、関西地銀の期待

ヨシ素材の法被を着る関西みらい銀の西山社長(中央)

関西の地域金融機関にとって、2023年は25年の大阪・関西万博に向けた準備が本格的に進んだ年だった。

池田泉州銀行は大阪府・市が運営する「大阪ヘルスケアパビリオン」で、中小企業やスタートアップの出展機会を設ける。未来の暮らし、製造業のデジタル変革(DX)、誰もが暮らしやすい社会という3テーマで3月から募集。20社以上を候補企業に選定した。

同行の鵜川淳頭取は「地銀として地元スタートアップの盛り上げが役割だ」と説明する。大阪シティ信用金庫(大阪市中央区)も同パビリオンに展示・出展ゾーンを設けており、快適な生活に関わる技術などを持つ企業を募集した。

一方、出展支援以外の方法で地元企業を盛り上げる動きもある。衣料品を製造販売するたまゆら(大阪府枚方市)は、サステナビリティー(持続可能性)を象徴する素材としてヨシの繊維を採用したユニホームを万博スタッフに提供する。同社とヨシ素材の製造技術を持つ企業をマッチングさせたのが関西みらい銀行。2社はともに同行の取引先だった。

「関西の地盤沈下と“失われた30年”は重なる。失われた40年にしないためにも関西が頑張らないといけない」と関西みらい銀の西山和宏社長は強調。機運醸成のため同行を含むりそなグループは、万博とコラボレーションした投資信託の取り扱いも6月から始めた。

ただ中小企業・スタートアップの中には万博に複雑な思いを抱えるところも少なくない。大阪府内に本社を置く部品メーカー幹部は「出展がアピールになるとは思うが、売り上げ拡大につながるとは期待していない」と話す。

建設業や製造業は人手不足やデジタル化に悩む。万博で一時的に注目されてもこうした課題が根本的に解決するわけではない。地銀や信金はコロナ禍以降、縮小していたマッチングや商談会などを再開しており、人材や新技術の紹介にも力を注ぐ。万博閉幕後を見据えた支援の継続と拡充が欠かせない。

日刊工業新聞 2023年12月28日

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