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堅調ロボットが増収支える…安川電機、受注底打ち

堅調ロボットが増収支える…安川電機、受注底打ち

自動化・省力化需要は高まる(本社工場)

安川電機の受注環境が底を脱しつつある。2024年3―5月期の受注高は1351億円で、23年12―24年2月期比約250億円増えた。半導体や電子部品市場の設備投資が回復傾向にあり、それに呼応してサーボモーターやロボットの受注も回復の兆しを見せる。世界で人手不足が深刻な社会課題となる中、半導体や自動車に限らず製造業における自動化、省力化需要は高まる一方で、もう一段の設備投資需要の回復が待たれる。(高島里沙)

※自社作成

「23年12―24年2月期を底に回復傾向にある」。安川電機の林田歩上席執行役員は、足元の受注環境をこのように捉える。25年2月期連結業績予想は据え置いたが、半導体市場を中心とする投資再開については下期以降の本格回復を見込む。

米州、欧州、中国、アジアの24年3―5月期の受注高は、それぞれ前四半期比30%以上増加した。ただ中国は大口案件の受注が寄与したもので、景気低迷などの影響は続いており設備投資需要の回復には至っていない。

24年3―5月期連結業績は前年同期比で減収、全ての利益段階で減益だった。ACサーボモーターを中心に減収となり、モーションコントロール事業の営業利益は同42・6%減の56億円となった。

ロボットは生産の高度化や自動化に対する底堅い需要に加え、自動車関連の投資継続などにより増収となった。一方、顧客の先行投資や生産稼働率の低下などが影響して営業利益は同22・6%減の48億円だった。ただ受注高は想定通りの着地で、下期以降には設備投資の再開を見込んでいる。同社はサーボモーターに加え、ロボット需要も取り込んでいく。

日本ロボット工業会は6月に、24年の受注額と生産額の見通しを1月公表値から400億円引き下げ、いずれも8600億円としている。設備投資環境は調整局面にあるが、足元では一部で回復の兆しを見せていることなどを勘案した。ファナックの山口賢治社長はロボットの受注環境については「下期にかけて少し増えると予測するが、それほど大きな増加は見込んでいない」としている。

日刊工業新聞 2024年07月09日

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