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トヨタ・花王・三菱電機など参画で新組織…世界が注目、日本発「協調安全」とは

トヨタ・花王・三菱電機など参画で新組織…世界が注目、日本発「協調安全」とは

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国際規格を作成

国内の有力モノづくり企業が集い、日本発の新たな安全の考え方「協調安全」の現場導入を促進する官民連携組織が29日に発足する。トヨタ自動車や花王、三菱電機安川電機オムロンなど民間企業13社に加え、経済産業省もオブザーバーで参画。協調安全を提唱する団体、セーフティグローバル推進機構(大阪市淀川区)に「モノづくり委員会」を立ち上げて活動する。日本主導で協調安全の国際規格作りにも着手する。

協調安全は最新の情報通信技術(ICT)を駆使し、人と機械、働く環境を情報連携させ、現場の安全性と生産性、働く人のウェルビーイング(心身の幸福)を同時に向上する考え方だ。清水建設のトンネル工事現場や大和ハウス工業の高所作業車を使った現場、協働ロボットや無人搬送車(AGV)が混在するトヨタの手動組み立てラインなど、すでに複数の国内企業がICTを最適に用いて協調安全を実践している。

セーフティグローバル推進機構モノづくり委員会の委員長には、トヨタの村田斉彬氏が就任する。トヨタが作成した協調安全のガイドライン(指針)を基に各社が現場目線で議論する。委員会としてガイドラインの発行や、多様なモノづくり環境での応用事例の開発を進め、現場導入を加速させる。活動成果から協調安全の国際標準化も狙い、国際電気標準会議(IEC)などに提案も行う。

委員会メンバーにはトヨタなどのほか、パナソニックコネクト、パナソニックオートモーティブシステムズ、日立建機、ダイフク、IDEC、パトライト(大阪市中央区)、アトリエ(東京都千代田区)、日本認証(大阪市淀川区)が加わる。今後も参画者を順次増やす計画だ。協調安全活動で先行する建設分野やモノづくり分野以外に、農業やインフラ・交通など幅広い分野で適用を図る。

協調安全をめぐっては、2023年秋に豪州・シドニーで開催された「世界労働安全衛生会議」で耳目を集めた。約3300人が参加した同会議では、協調安全を実践する日本企業の事例が紹介され、世界の参加者が関心を寄せたという。

日刊工業新聞 2024年01月24日

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