従業員の特性・能力を見える化…大林組が設備・土木の人材育成へ一手
大林組は従業員が持つ技能や業務経験などの情報を一元的に管理・共有する「タレントマネジメントシステム」の適用職種を拡大する。従来の建築部門に加えて、2024年度中に設備部門、25年度をめどに土木部門で導入する計画。人材確保難や技能伝承といった課題を踏まえ、より多くの従業員の特性や能力を見える化し、スキルに応じたきめ細かい研修や上司の指導力向上などに役立てていく。
タレントマネジメントシステムは、従業員それぞれの特性や能力の見える化につながり、適材適所の人材配置に活用できる。指導・育成のデータとしても使えるため、組織力の強化に向けたツールとして導入する企業が増えている。
大林組は約2年前に建築部門で現場の監督業務などを担う生産系の職員を対象に同システムを導入した。必要な知識や経験に関する300程度の質問項目に対する自己評価を行った後、上司との面談を通じてスキルを見える化。データとして管理・共有するとともに、研修で活用している。
建築部門での数値化が浸透してきたことを踏まえ、設備部門と土木部門にも順次導入していく。対象は設備部門が1000人、土木部門が700人程度となる見込み。
同システムの適用職種を広げることによって、より多くの職員に業務のレベルや強み・弱みに関する意識を強めてもらい、きめ細かい研修を実施につなげる。計画的なキャリア形成や最適な人材配置のデータとしても活用する。
日刊工業新聞 2024年7月3日