全加工食品が原産地表明の対象に?―自民党
変更の手間より、包材の処分費用が気になる…
**現在の原産地表示は22食品群と4品目
自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT、小泉進次郎委員長)は31日の会合で、加工食品の原料原産地表示について、すべての加工食品を対象にする方向性を提示し、了承された。原産地表示は22食品群と4品目を対象としている現在の義務規制から一歩、踏み込んだ。消費者は食の安全や国産品を求める傾向が強く、対象を全加工食品に広げて食の安全性確保と農業者の生産意欲向上につなげる狙い。
加工食品への原産地表示には消費者、生産者から対象拡大の要望が挙がる一方、食品メーカーなどからは「原材料調達国のひんぱんな変更に対応できない」「包装や表示変更の手間でコスト高になる」などと反対意見が強かった。
PTではこうした現状に配慮し、加工食品全体に広げる方向性は示しつつも、義務化や実際の表示方法については、個々の食品ジャンルの性格や事情に応じて柔軟に検討する。輸入原料の多い菓子や冷凍食品、半調理商品などの表示をどうするかなどを検討するとみられる。
加工食品で包材変更のコストアップを挙げる声もあるが、これについては農林水産省が包材メーカーへのヒアリングで「食品メーカーが気にしているのは変更の手間より、包材が残ることによる処分費用」の調査を報告した。
農林水産省は31日、消費者庁と共同で「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」を開いた。事業者側の委員からは伊藤園と味の素が野菜果実ジュース、冷凍食品のエビシューマイについて原産地表示の対応例を説明。生産者側の委員は「原産地表示した方が生産農家の励みになり、実際の業績も良い」旨の報告が出た。表示義務化については慎重意見が多かったが、対象品目拡大では賛成意見が大勢を占めた。原産地表示拡大で、事業者側では「年間を通じてひんぱんに調達国が変わるため、厳密に対応するとコストがかかり、包材メーカーの負担にもなる」と反対意見が多い。
自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT、小泉進次郎委員長)は31日の会合で、加工食品の原料原産地表示について、すべての加工食品を対象にする方向性を提示し、了承された。原産地表示は22食品群と4品目を対象としている現在の義務規制から一歩、踏み込んだ。消費者は食の安全や国産品を求める傾向が強く、対象を全加工食品に広げて食の安全性確保と農業者の生産意欲向上につなげる狙い。
加工食品への原産地表示には消費者、生産者から対象拡大の要望が挙がる一方、食品メーカーなどからは「原材料調達国のひんぱんな変更に対応できない」「包装や表示変更の手間でコスト高になる」などと反対意見が強かった。
PTではこうした現状に配慮し、加工食品全体に広げる方向性は示しつつも、義務化や実際の表示方法については、個々の食品ジャンルの性格や事情に応じて柔軟に検討する。輸入原料の多い菓子や冷凍食品、半調理商品などの表示をどうするかなどを検討するとみられる。
加工食品で包材変更のコストアップを挙げる声もあるが、これについては農林水産省が包材メーカーへのヒアリングで「食品メーカーが気にしているのは変更の手間より、包材が残ることによる処分費用」の調査を報告した。
生産・事業者、意見分かれる
農林水産省は31日、消費者庁と共同で「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」を開いた。事業者側の委員からは伊藤園と味の素が野菜果実ジュース、冷凍食品のエビシューマイについて原産地表示の対応例を説明。生産者側の委員は「原産地表示した方が生産農家の励みになり、実際の業績も良い」旨の報告が出た。表示義務化については慎重意見が多かったが、対象品目拡大では賛成意見が大勢を占めた。原産地表示拡大で、事業者側では「年間を通じてひんぱんに調達国が変わるため、厳密に対応するとコストがかかり、包材メーカーの負担にもなる」と反対意見が多い。
日刊工業新聞2016年4月1日 総合2面