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農地など除草代替…フィールド開発が投入、雑草踏みつけロボットの効果

農地など除草代替…フィールド開発が投入、雑草踏みつけロボットの効果

雑草を踏みつけて成長を抑制する(フィールド開発の実験場)

フィールド開発(宇都宮市、山口直信社長)は、雑草を踏んで成長を抑えるロボット「グラプレス」を今秋完成し、発売することを目指す。無給電で自動走行し、除草剤や人手による草刈り作業を代替する。太陽光発電所や空港、果樹園での活用を見込み、価格は150万円(消費税抜き)程度を想定する。走行機能の高精度化、価格低廉化に向け、研究開発を続ける。

グラプレスは縦132センチ×横100センチ×高さ45センチメートル。衛星を使い数センチメートルの精度で位置情報を測位する「RTK―GNSS」システムで走行経路を制御する。電波が届かない場所は高性能センサー「LiDAR(ライダー)」で制御する想定。150ワットの太陽光発電装置と毎時30アンペアのリン酸鉄リチウムイオン電池を二つ搭載する。

雑草は刺激を受けると植物ホルモンのエチレンが発生し、成長を抑制する。グラプレスは雑草を踏みつけるブレードを搭載し、決められた範囲を渦を巻くように時速200メートルで走行する。

1台で5000平方メートルのエリアの雑草を抑制できる。全国の太陽光発電所、空港、果樹園の土地面積の10%でグラプレスが活用されれば、価格を150万円、耐用年数を15年とした場合、年間売上高は44億円と試算する。

2013年に試作機の開発に着手し、空港や太陽光発電所での実証実験や、静岡大学、東京農工大学との共同研究を重ねてきた。1台でより広範囲に使えるかなど実証実験を続ける。今秋の完成を目指す機体を1号機と位置付け、継続して機能強化や価格低廉化に取り組む。

日刊工業新聞 2024年6月20日

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