最大誤差7mm…東北大がアトミクスと共同開発した「白線塗布ロボ」の実力
東北大学の代悠人大学院生と大森菜帆大学院生、平田泰久教授らはアトミクスと共同で、道路などの白線塗布ロボットを開発した。最大誤差は7ミリメートル。わずかに歪むため職人技には及ばないが、白線としては実用性のある線を引けた。商業施設の駐車場のように高い品質を求める場面もあるため、要求品質と生産性を検討して社会実装を進める。
白線を引く塗布ロボットと、白線の前段階としてチョークで線を引く作図ロボットを開発した。3次元(3D)LiDARで周囲を測定し、車輪で走行する。機体の移動や計測の機能は共通で、白色塗料をスプレーするモジュールと、チョークを路面に当てて線を引くモジュールが異なる。まずチョークで線を引きロボットの線で十分な部分は自動施工、傾斜のある路面など修正が必要な部分は人手で施工することを想定する。
白線塗布ロボットは時速0・5キロメートルでは最大誤差が7・2ミリメートルで標準偏差が0・9ミリメートル。時速1キロメートルでは最大誤差が6・0ミリメートルで標準偏差が1・2ミリメートルだった。人目には多少歪んでいるように見える。路面に小さな段差があると機体が傾き、塗布ムラができると考えられる。職人の目では仕上がりに納得はできないと評価された。白線としては機能する。
人手の施工では、まっすぐな線を引くために糸を張るなどして作業品質を高めている。従事者の高齢化が進んでおり、自動化は人手不足解消につながる。道路や商業施設などで白線への要求品質が変わるため適用可能な場面を探る。研究室では技術の高度化と「止まれ」などの文字の描画を進める。
日刊工業新聞 2024年6月13日